14日に米国防省報道官が明らかにしたところによると、12日、ウクライナ南方の黒海の公海上で、ロシア軍のSU-24攻撃機が約90分間にわたり、米イージス艦Donald Cookに対して威嚇飛行を行った模様です
当該機は武装しておらず、米艦艇の上空は飛行しなかった模様ですが、当該機のパイロット独断による行為とは考えにくく、米国防省報道官は「挑発的な行為」と非難しています
14日付米国防省web記事によれば
(Steve Warren陸軍大佐:米国防省報道官談)
●米海軍艦艇Donald Cookはアーレイバーク級のイージス駆逐艦で、10日に黒海に入ったばかりだった。12日のロシア機との事象の後、現在はルーマニアのConstanta港に停泊している
●12日、同艦艇が黒海の公海上をパトロールしていたところ、1機の武装していないSU-24攻撃機が約90分間にわたり計12回艦艇近傍を低高度で飛行した。編隊の別の1機は上空で待機しているようだった
●SU-24は、艦艇からの無線を使って行われた問いかけや警告に一切応答しなかった。
●低高度の1機は、海面すれすれから2~3000フィートで艦艇周辺を飛行したが、米艦艇上空を飛行することはなかった。ただし米国防関係者は、当該機は艦艇の900m以内を飛行したようだと語った
●報道官は「同艦艇は2機のSU-24に対処する十分な兵器を装備しており、危険な状況に至ったわけではない」と説明している
●一方で報道官は「この行為がロシア軍の若い操縦者によるお遊びだとは思えない。2機の操縦者2人の判断で行われたものとは信じがたい」と述べた
●更に報道官は「我々はロシアがウクライナで国際規範に違反し、また露軍が軍事規範に則さない行為を数ヶ月にわたって行っているのを見てきた。これらの行為の継続は、ウクライナでの事態沈静化に資さない」と訴えた
14日付Defense-News記事は
●12日の土曜日に発生した事象は、冷戦時代を彷彿とさせるここ1週間の出来事を象徴している
●米国防省報道官は「この挑発的で前例のないロシア軍の行為は、軍事組織間の国際規範や合意に反するものである」と表現した
●同艦艇は、ルーマニアをはじめとするNATO諸国に、米国の関与を再確認するために派遣されたものである
●現在同艦艇はルーマニアの港に停泊しているが、同港の近傍にはMihail Kogalniceanu航空基地があり、数千人の米空軍と米海兵隊員が恒常的に駐留している
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本当に冷戦時代を彷彿とさせる事態が連続しています
少し過激ながら、マキアヴェリの言葉をご紹介
「決断力の無い君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くの場合中立の道を選ぶ。そして、大方の君主が滅んでいく」
「弱体化な国家が持つ一番の悪い傾向は、決断力に乏しいということだ」
「経験の教えるところ、信義などほとんど気にかけず、奸策をめぐらし、人々の頭を混乱させた君主の方が、むしろ大きな事業をやり遂げている」
ウクライナ関連の記事
「衛星画像:ロシア軍大集結」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-03
「5日以内に作戦開始可能な露軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-04
「米宇宙ロケットピンチ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-18-1