米海軍に関する小ねた3つをご紹介します。
表題の通り、14日の週の米海軍トップ訪中(空母遼寧見学を含む)、米韓海軍演習(16日から。日本も関連)、艦載FA-18用の新型電子戦ポッド開発についてです。
それぞれは「小ねた」ですが、それぞれに今後の動向を考える際のピースになる可能性もあるのでご紹介します
米海軍トップ訪中
●15日、訪中している米海軍トップのグリーナート大軍大将は、中国海軍司令官のWu Shengli大将(呉勝利)主催による赤絨毯の歓迎セレモニーを受け、会談を行った。両国海軍トップが会談するのは、過去1年間で4回目である
●訪中は18日まで行われ、その間に空母「遼寧」訪問も計画されている
●会談後に会見は行われなかったが、同行の米海軍幹部は「会談は両国海軍の協力推進の手法」についてであり、「相互理解が深まった」と語った。
●同海軍幹部は、東や南シナ海での領有権を巡る周辺国と中国の争いが話題になったかどうかについて、「言及するのは難しい。あくまでも会談の目的は、両海軍の相互理解を促進するための方法を探るものであり、相互理解が複雑な問題の解決に役立つ」とのみ述べた
米韓海軍演習に続き、+日本で捜索救難訓練
●米韓海軍は16日から21日かけ、韓国近海で合同軍事訓練を行う。訓練には空母ジョージ・ワシントンも参加する
●21日から22日には、海上自衛隊の艦艇1隻と航空機1機が加わり、救助訓練に切り替わる
●歴史問題などで日本との軍事協力に韓国内で反対論が強まる中、米国が仲介する形で人道目的の救助訓練を共に行い、3カ国の協調体制を確認したい狙いもあるとみられる。
●韓国メディアは、救助訓練も米韓だけで行う計画だったが、米国が海自も加えるよう韓国に要求したと報じた
次世代電子妨害装置の飛行試験へ
●14日、米海軍との契約で艦載機搭載の次世代電子妨害装置(NGJ:Next-Generation Jammer)を開発しているレイセオン社がファーンボロウ航空ショウで、初の飛行試験を本年9月に予定していると明らかにした
●レイセオンは昨年7月、米海軍から約280億円でFA-18用の攻防両用の電子戦ポッド開発を受注している。
●当該電子戦ポッドNGJは、電子戦機EA-18Gが現在搭載しているALQ-99の後継装置になるもので、2020年までに運用開始することになっている。
●現EA-18Gの電子戦装置は、敵防空システムや敵機の電波信号を分析し、その発信源位置を特定して妨害を掛けることが可能だが、NGJは複数の周波数増幅装置を備え、同時に幅広い周波数帯の多様な目標により遠方から妨害が可能で有る
●レイセオンの開発責任副社長は「NGJは極めて強力なシステムである」と説明すると共に、「現有システムは湾岸戦争やコソボ紛争に投入された装置であり寿命に達しつつある。一方で電子戦に注目しているのは米国だけではなく、敵の電子装置も進化を続けている」とNGJ開発の重要性を強調した
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これに加え、米海軍が主催する世界最大の海洋演習RIMPACがハワイ周辺で実施中です
米空軍がA-10全廃予算「宙ぶらりん」状態で将来を見通した動きが少ない中、更に昨日ご紹介したようにスタッフリストラ計画を発表する一方で、米海軍は何かと話題が豊富です
問題山積みは米空軍と同様で、沿岸戦闘艦LCSの設計や今後の建造見直しがあり、空母やSSBNの将来が予算不足で危ういものの、まだ計画的な対応が可能な余地があるような印象です
一方米空軍は・・・。何度も何度も繰り返すように、「人類史上最大の兵器導入計画」である「亡国のF-35」に、すっかり振り回され、きりもみ状態に入っている気がしてなりません。