23日、オバマ米大統領はニューヨークで講演し、朝鮮半島以外では対人地雷を使用せず、備蓄も破棄する新方針を打ち出しました。6月にホワイトハウスが発表した生産、取得の禁止に次ぐ措置で、究極的には対人地雷禁止条約(オタワ条約)に加盟する方針(時期には言及せず)も改めて示しました。
対人地雷に関しては、対人地雷の大量保有国で西側諸国にとって潜在的な脅威である中国やロシアやイランや南北朝鮮が禁止条約(日本を含む161カ国加盟:インドとパキスタンも非加盟)に加盟せず、依然好き放題に使用する中にあり、米国内では議論が分かれています
各種報道を総合すると
時事→http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014092300600
毎日→http://sp.mainichi.jp/select/news/20140924k0000e030173000c.html
Defense-News→http://www.defensenews.com/article/20140923/DEFREG02/309230035/US-Bans-Anti-Personnel-Mines-Except-Korean-Border
●米NSCのヘイデン報道官は声明で、「朝鮮半島特有の状況と韓国防衛の義務」により例外地域とせざるを得なかったが、究極的にはオタワ条約加盟を目指すと説明した。韓国防衛に必要なもの以外、備蓄対人地雷を破棄する方針
●1994年に民主党のクリントン米政権は対人地雷廃絶の目標を掲げたが、その後、共和党のブッシュ政権が方針転換。民主党のオバマ大統領は就任直後の2009年、地雷政策の包括的見直しを約束していた
●米大統領は、北朝鮮と韓国が軍事的ににらみ合い、米国が韓国の防衛義務を負うなど「特別な状況」にあると朝鮮半島の例外化について説明した。
●また大統領は、その上で「最終的にはオタワ条約に加盟できる方法を見つける」と発言。国際的な地雷除去活動への貢献を続ける方針も表明
●国務省のサキ報道官は「米国は対人地雷の人道的影響を深く懸念しており、対人地雷対処の世界的リーダーとして、その影響緩和に長く貢献してきた」と述べ、1993年から90ヶ国以上に対し、計2300億円以上の支援を行ってきた点を強調した
●同条約の策定を推進したNGO地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)はオバマ政権の措置について「地雷のない世界に向けた重要な一歩だ」と歓迎すると同時に、朝鮮半島での破棄も進めるよう強く求めた
●米国防省のカービー報道官は「ヘーゲル国防長官は大統領の方針を支持する」との声明を発表した。
破棄に反対する意見
●一方で、米国内では使用制限や破棄に対し「米兵を危険にさらす」との反対意見もあり、米下院軍事委員会のマッケオン委員長(共和党)は23日、「失望」を表明した
●議会内の懐疑派は、鍵となる対人地雷大国が禁止条約に未加盟で有る点や、米軍が保有する対人地雷900万発が「自動機能停止型」である点を主張している。
●また、米国は無責任な対人地雷使用国ではなく、かつ現在問題になっている残置対人地雷には米国は一切関与していない点も上げ、一方的な破棄の意味に疑問を呈している。
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理想追求なのか、偽善行為なのか・・・
残置された対人地雷によって被害を受ける弱い立場の人々の苦悩から、目を背けることは出来ません。
一方で、対人地雷大国に破棄への動きがない中で、先行的かつ一方的に他国が破棄に進むことが、本当に人類のためになるのかについて、私は疑問を持っています
中国やロシアや北朝鮮やイランの高笑いが聞こえるようです