中国による猛烈な対台湾軍スパイ活動

Taiwan1.jpg11日付Defense-Newsは、最近の中国による台湾軍に対するスパイ活動(スパイへの勧誘を含む)を紹介しつつ、台湾政府の対中国融和策や台湾軍の規模縮小傾向の中で、台湾軍人の「士気」が低下し、金銭等による誘惑で簡単に情報を「売る」傾向が最近とみに高まっていると警告しています
また、中国の情報収集手法は、一般に考えられてきた「広く対象国国民全般から収集した情報を総合して分析」ではなく、最近は「対象領域の専門家に集中した情報収集」になりつつあると紹介しています
11日付Defense-News記事によれば
Taiwan military1.jpg●過去数年の間に台湾軍幹部は中国に、E-2K早期警戒機、パトリオットPAC-3、ホーク防空システム、レイセオン社の赤外線カメラの情報を売り渡した
●台湾情報筋によれば、中国側はほかにも「Po Sheng C4I改修」、「Anyu-4防空システム」、「電子戦計画」や「スタンドオフミサイル」の情報を入手している
Jamestown研究所のPeter Mattis氏によれば
最近の事案の一例:台湾軍内の中国スパイ)
台湾軍・通信電子情報部長のLo Hsien-che少将
最も深刻なスパイと評価されている。2002年から05年のタイ駐在武官勤務中に中国に取り込まれ、台湾に帰国後に台湾軍の通信・電子情報部長として勤務当時から台湾の暗号システム、電子情報収集能力、米国との情報共有状況などを中国に提供した。2012年に終身刑に
Taiwan military3.jpg元台湾海兵隊のLiao Yi-tsung大佐
本人が中国のスパイとして働くだけでなく、台湾特殊部隊の教官をスパイとして勧誘し、その教官が10名の学生をスパイとしてリクルートした。10名の中の一名が今年3月に台湾当局に通報して発覚
台湾空軍のHau Chih-hsiung少佐
今年4月、E-2K早期警戒機の情報を中国に提供した罪で、懲役20年の刑を言い渡される
台湾軍情報部のLo Chi-cheng中佐
2007年から2010年の間に中国本土で活動していた台湾スパイの名前を中国側に売却した。その罪で今年9月に18年の刑を言い渡される
元台湾海軍副司令官のKo Cheng-sheng中将
2003年に台湾海軍副司令官に就いた同中将は、1998年から2007年の間に中国のスパイとして活動し、台湾防衛計画の「Gu’an Combat Plan」を中国に提供した。今年10月、この罪により14年の刑を言い渡された
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Taiwan2.jpg同記事は、中国側が台湾軍の退役将校を通じて現役幹部に接近し、中国側のスパイとしてリクルートする手法が定着していると報じています
台湾の退役将校が中国当局の「お抱え旅行」で中国に招かれ、たっぷり接待を受けて「手なずけられ」、台湾に帰国時に活動資金を提供されると、大部分は受け取ることを拒まないとか・・・
まさに「氷山の一角」なのでしょう。
台湾が最前線でしょうが、今や日本にも「魔の手」が伸びていると考えるのが自然でしょう。
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