米国防省F-35計画室長→「全員が沈没するか、全員が浮かばれるか、どちらかである」
29日付Defense-Newsによれば、イスラエルがF-35を追加注文する模様です。
イスラエルは、F-35共同開発国8ヶ国以外で最初に、FMSでF-35を発注した国です。今回は追加で25機を注文する方向にある模様です
29日付Defense-Newsによれば
●イスラエルが第2弾のF-35発注を行う模様であり、第一弾の19機に加え、合計で44機まで調達機数を増やす方向にある。
●イスラエルが最初にF-35を19機発注(通常型A型)したのは2010年である。今回も同様にA型を25機注文する模様である
●米国防省のF-35計画室は、本件を最初に報じたロイター報道を認めたが、細部への言及は避けた
●10月27日の週は、F-35計画にとって良い週だった。国防省F-35計画室とLockheed Martin社が、第8ロット生産契約内容について合意したのだ。2016年に生産を開始するこのロットにはイスラエル向け2機と、同じくFMS契約で購入する日本向け4機も含まれている
●なお、現時点でFMS契約購入するのは、イスラエルと日本と韓国の3ヶ国である
●米国防省と関連産業関係者は、生産過程におけるコスト削減策には継続的に取り組んでいるが、最も効果がある価格低減策は生産機数の増加である
●F-35計画室のBogdan中将も「1ドルのコスト削減可能性のうち、80セント分は生産規模の拡大が担っている」と表現し、製造ラインのコスト削減努力は2割程度の影響力しかないことを認めている
●同中将は9月に「今後3年間でF-35生産ペースを2倍にし、5年で3倍に拡大する」と述べ、更に「米軍や関係国が1機でも調達を減らせば、生産した機体は在庫になる。これは購入国全体に影響を与えるのだ。つまり我々全員が沈没するか、全員が浮かばれるかどちらかである」と実態を描写した
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「つまり我々は全員で沈没するか、全員が浮かばれるかどちらかである」・・・「脅し」の様なこの言葉は、極めて適切にF-35購入国全体の置かれた状況を的確に表現しています。
そして、世界全体の景気状況、欧米をはじめとする厳しい財政状況、安価な誘導兵器拡散による戦闘機の価値低減などなどを勘案すれば、「沈没」確率が9割以上だと考えます。
第1弾の購入に踏み切るまで、イスラエルでは国を2分して「F-35購入是非議論」がありました。安価なミサイルに脆弱で高価な戦闘機に莫大な投資をして良いのか?、が論点でした
しかし結局購入が決定し、「亡国のF-35」に飲み込まれようとしています。普通に考えて「沈没」確率が9割以上でしょう。私は確率10割だと思いますが
イスラエルとF-35
「イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-01
「続:イスラエルがF-35で苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23-1
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「中国とイスラエルが急接近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04-1
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