追記します・・・
31日、Lord調達担当次官は「at this point」大丈夫だろうと
31日、別件の記者会見を行ったLord調達担当国防次官が、F-35ボルト誤用問題についての質問に答え、「問題があるかどうか精査中」、「F-35の健全性について、現時点では問題ないと信じている」と述べました。
「we have confidence・・・ at this point」と表現したのは誠実だと思いますが、現時点では、「いつからインコネル製とチタン製が区別なく使用される問題が発生していたのか」、「製造済の機体の何機が影響を受けているのか」、「1機に800-1800個程度インコネル製を使用すべき箇所があるが、何か所ぐらいでチタン製をご使用しているのか」について、誰も答えられない現状ですので、「at this point」と前置きを置いて、自信を示すしかないのでしょう
しかし・・・ロッキードと国防省F-35計画室は、同落とし前をつけるのでしょうか? 誤使用の実態も把握できない状況で、当面大丈夫だと言い張るのでしょうか? 米軍のパイロットとF-35を導入し始めた各国反応に注目いたしましょう・・・
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指定の高価な合金ボルトでなく強度弱いチタンボルト使用
ロッキードは交換の必要無しと主張も・
日本のFACOでは誤用なし。米と伊で誤使用
30日付米空軍協会webが「臨時ニュース」扱いで、米国防省国防契約管理庁が「数百機のF-35機体の重要箇所に、指定されていたものとは異なる固定ボルトが使用されている可能性がある」と明らかにしたが、ロッキード社はF-35の運用制限や修理・交換の必要はないと主張し、国防省F-35計画室等で事実関係の確認が行われていると報じました
国防省F-35計画室も、1月9日時点までの調査状況から「現時点で運用制限や精密検査が必要な機体はない」との姿勢のようですが、ロッキードがどの様な調査や確認を行って「運用制限や修理・交換の必要はない」と主張しているのかを現在もチェック中の様で、2月に使用者向けの調査報告を出すようです
設計上、本来使用されるべきボルトは、インコネル(Inconel)との製品名のニッケル系の耐熱・耐蝕合金で出来たボルト(価格20ドル)でしたが、そのインコネルより強度の劣るチタン製のボルト(価格5ドル)が部品ケースに混入されて製造現場に出回り、誤った箇所に使用された模様です
チタン製ボルトの誤用が完全にないと言い切れる機体は、本事案が発覚した2019年11月以降に製造された20機程度と、日本の名古屋のFACOで製造された機体だけで、他の数百機は誤用の可能性がある模様です
F-35には、チタン製とインコネル製の2種類の固定ボルトが合計約5万個使用されていますが、F-35A型とB型では全体の1.7%程度だけ強度の強いインコネル製が使用され、空母着艦用により頑丈に作られた大型のF-35C型には、強度を高めるため3.5%インコネル製の強いボルトが使用されているそうです
チタン製とインコネル性の2種類の固定ボルトは共に「eddie bolts」と呼ばれ、見た目では判別できないほどソックリで、誤って使用されたボルトを確認するのは容易ではなく、各機体に800-1500本あるインコネル製ボルト使用箇所を全て確認するのは大変な労力と時間が必要でしょうから、ロッキードは(国防省F-35計画室もたぶん・・・)「運用停止や特別点検やボルト交換の必要なし」で押し切りたいのでしょう・・・。
しかし、国防省内の匿名の専門家からも、ボルトで固定する対象の部材によっては、チタン製とインコネル製の使用を誤ると、腐食に弱いチタン製の問題が発生する可能性があると懸念の声が上がっているようです
30日付米空軍協会web記事によれば
●米国防省の国防契約管理庁からの発表を受け、米空軍協会から国防省F-35計画室に問い合わせたところ、「本件が明らかになる前に製造された全てのF-35で、インコネル製を使用すべき箇所にチタン製ボルトが使用された可能性があると想定して対応する」と電子メールで回答があった
●チタン製はある程度の強度を軽量ボルトで確保したい箇所で使用され、インコネル製ボルトは、強い強度と腐食への耐性が求められる限定的な場所に使用される
●ロッキード社の報道官や技術者は初期分析段階の結果として、「一般に全てのボルトは強度に2倍以上の余裕をもって使用されている」、「チタン製ボルトはインコネル製が必要な場所でも十分な強度がある」と説明している
●また国防省F-35計画室は、1月9日時点までの調査状況から「現時点で運用制限や精密検査が必要な機体はない」、「ロッキード社が現在行っている根本原因探求と対策分析の終了報告を待って、F-35計画室からF-35所有部隊宛のレポートを発行する予定だ」と現時点で説明している
●ボルトの誤用が発生したのは、テキサス州のFt. Worthの機体組み立て施設FACO(Final Assembly and Check-Out)だけでなく、イタリアのFACOも含まれることが明らかになっているが、日本のFACOでは発生していないと米国防省の国防契約管理庁は発表している
●ロッキード報道官は、2月に米国防省の国防契約管理庁とF-35計画室に「RCCA:根本原因探求と対策分析報告」を提出し、了解が得られると考え、その場合「新たな作業をF-35使用部隊にお願いすることはない」と説明したが、再発防止のためどの様な対策を行っているかについては言及しなかった。
●また、ボルト誤用の発生原因については、「2種類のボルトが混在した部品収納箱が、FACOと部品サプライヤーで見つかっている」と述べるにとどまった。ただ、同社とサプライヤーは、「正しい場所に正しい部品が使用されるよう、対策を徹底た」と報道官は主張した
●現在までにロッキードが行った調査に関し、何機を対象に誰が行った等の質問には回答が無かったが、「高い割合でボルトが正しく使用されていることが明らかになった」と同社報道官は説明し、「当社の調査は終了し、顧客側と結果を精査している」と語った
国防省F-35計画室等は本件に関し
●一方、米国防省の国防契約管理庁は、ロッキードが昨年11月から再発防止策を開始しはじめ、同12月には大半の対処策を実行に移していると発表したが、具体的な内容については言及しなかった。また、対策完了後に完成した機体番号まで具体的にしなかったが、昨年最後に納入された14機程度と今年1月納入分は、誤用の疑念がない機体と考えられる
●疑いのある全ての機体を確認する労力と時間、そのコストとに関し、同管理庁は試算していないと述べ、現時点で、だれがその経費を負担するかに関しても明らかでないが、F-35計画室が判断する性質のものだと同管理庁は説明した。
●F-35計画室は、ロッキードと共に、「インコネル製であるべき部位にチタン製ボルトを使用した場合の構造上の影響について吟味している」と述べ、「機体点検やボルト交換」の可能性も残されていると示唆した
●ロッキード社が実施している「RCCA:根本原因探求と対策分析」では、同ボルトを扱うすべての過程、つまり製造者、輸送経路、部品受け取り部署、製造ラインでの部品分配、製造ラインでの指示状況など全てを確認精査することになっている
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全てチタン製でも大丈夫というなら、価格4倍のインコネル製なんか使用する必要ないじゃん・・・と言いたくなります。ロッキードや国防省F-35計画室の説明は意味不明です
これまでの様々な事案事例から考えると、「亡国のF-35」に関して、ロッキードはもとより、国防省F-35計画室や国防契約管理庁の説明は全くあてになりません。
米議会の指示で国防省内のお目付け役として設置されている「試験評価局:OT&E」の、Robert Behler試験評価局長あたりに、その真相をズバリ切っていただきたいものです
ALIS断念の話とか、維持経費削減は期待薄な話とか、本当にロッキードはひどいです。それでもがっぽり儲けているから腹が立ちます
航空自衛隊保有の機体でも、名古屋のFACO製でなく、米国製を持ち込んだ機体があると思いますから、十分に注意して頂きたいと思います
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