寂しげなヘーゲル国防長官の退任式

Hagel-farewell.jpg28日、ペンタゴン近傍の米軍基地でヘーゲル国防長官の「armed forces farewell:米軍主催の退任式」が実施され、オバマ大統領、バイデン副大統領、Work副長官、デンプシー統合参謀本部議長等々が参加しました
悪天候のためのか、照明等の演出のためなのか、夜しか時間が取れなかったのか、室内で行われた式典でした。
事実上の「更迭」と言われるヘーゲル長官の退任ですから「悲哀に満ちた」感がするのかもしれませんが、そんなイメージを持って勝手につまみ食い紹介します
Defense-News引用部分:大統領送別の辞
●「真の米愛国者」、「米国に命をささげる信念を持った男」
●「我が国が今後の100年に備える準備をしてくれた」
●「ベトナム従軍者として初の国防長官」、「下士官あがりで初の国防長官
●「あなたは常に率直」、「あなたの考えを語ってくれた」
Defense-News引用部分:副大統領送別の辞
●「私が常々追い求めてきた判断力と思考力を備えた人物
退任式を伝える米国防省web記事
オバマ大統領が引用したエピソード
hagel-farewell4.jpg●昨年のある日、Oval Officeでの定例会議に、ヘーゲル長官がある男性を連れてきた。その男性と長官は、先ほど50年ぶりの再会を果たしたばかりだといった
●その男性は長官がベトナムに従軍していた際の小隊長だった。米国内では人種暴動や反戦運動が荒れ狂っていた時代、その小隊は大半が白人で構成されており、黒人はその小隊長以外ほとんどいなかった
●その小隊長は着任した際、皆の前に出て以下のように語ったと会議で長官は紹介してくれた。「小隊長として、団結を乱したり、不信を招くような行為は許さない」、「我々は全員が米国民で、ともに生き抜き、互いに助け合い、ともに戦い、ともに互いの背後を固めるのだ。さあやるぞ!」と
●かつて部下と上官の関係であった(白人と黒人の)2人が、その男性の孫が見つめる中でこの話をOval Officeで語ったとき、我が国が歩んできた長き道を思わざるを得なかった
あのような時を与えてくれた長官に感謝し、そのような道を歩んできたChuck Hagel氏の国への貢献の長き道を讃えたい
最後にヘーゲル長官挨拶から
hagel-fare.jpg●「我々は過ちを犯してきた。そしてこれからも過ちを犯すだろう」、「しかし我々は、米国最大の強みの一つをしっかりと保持している。それは自らを正す能力と国家体制を備えていることである。米国はシステムを変え、過ちを正し、問題を解決し、やり直すことができるのだ
●「ただ、我々は大きな課題を正す必要がある」、「すべての問題にただちに回答が得られると考えるべきではない。時間と空間を必要とし、より高みを目指す忍耐が必要な課題もある
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
なお、後任候補Ashton Carter氏への上院軍事委員会のリアリングは2月4日に予定されており、来週には承認が出るかもしれません
Hagel-farewell2.jpg考えすぎかもしれませんが、オバマ大統領の言葉は、「人物」に関する評価はあっても、「業績」に対する褒め言葉が控えめです
在任間のエピソードの選び方からも、そんな雰囲気がします
ヘーゲル長官の言葉「ただ、我々は大きな課題を正す必要がある:But we must get the big things right」は正確に訳せているか自信がありませんが、政治や議会の現状への不満が現れているようにも聞こえます
まだ出勤して仕事をするのでしょうが、とりあえず「お疲れ様」と申し上げます

タイトルとURLをコピーしました