米空軍が調達コスト削減戦略発表

James3.jpg14日、米空軍長官が装備品調達に関する新戦略「Bending the Cost Curve」を発表し、技術革新を促し、コストを削減し、調達を迅速化するとの狙いを説明しました
この戦略は米国防省が進める調達改革「Better Buying Power」加え、更に深化したものだと長官は説明し、3つの方針を示し、具体的な対象装備品にも言及しました
企業と国防省の両方でのキャリアがある空軍長官ならではの戦略であり、その展開に注目が集まると思われます
15日付DODBuzzによれば
●James空軍長官は新戦略の3つの柱について、企業との相互交渉の活発化、新参入企業をも含めた競争の拡大、空軍省による業界調査の強化と語った
James-Welsh.jpg第1番目は「Cost Capability Analysis」で、装備品への要求値を少し下げることでコストに大きな影響が出る部分を把握し、トレードオフを全体検討に反映する事である
●例えば、速度要求を時速500マイルから450に下げるだけで、大きなコストダウンが計れる事を関係者皆で把握し、意志決定に反映させようとの試みである
●この対象になる装備品は、次期練習機、長距離スタンドオフ兵器、「Multi-Adaptive Prodded System」、衛星赤外線監視装置などである
第2番目は、米空軍内の情報収集分配システム(Distributed Common Ground System)のようなオープンシステム選定に関し、米空軍が契約行為を迅速に行えるようにする事である
●現在は平均17ヶ月も業者選定に費やしているが、これを何とな「一桁の月数」に抑えて迅速な調達を実現したいと長官は語った。1月20日に開催される産業界のイベント(PlugFest Plus)が、その手始めとなる
3つ目は、ITを活用した軍需産業分析室を設置し、膨大なデータ分析から適切な支出選択を行い、調達コストを削減することである
●これは諮問機関からの最優先提言であり、民間企業で本手法で平均25%以上のコスト削減に成功している
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innovation2.jpg米国内の商習慣や軍需装備品の調達手続きに関する話であり、正確に訳せていないと思います。ご興味のある方は原文をご確認下さい
国情は異なれど、多かれ少なかれ、軍の装備品調達コストの問題は万国共通だと思います。F-35に投資している以上、以上のような施策は「焼け石に水」な気がしますが、それでも重要でしょうから、日本の関係者の皆様もご参考に
米国防省の調達改革等
「技術優位確保offset strategy」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06-1
「Better Buying Power 2.0」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-14
「第1弾:ゲーツの取得改革指針」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1

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