インフラ再編と同時発表の巧みさ
8日、米空軍は欧州での最初のF-35配備基地を、英国のLakenheath空軍基地に決定したと発表しました。2020年から配備を開始するとの事
ただ同時に、細部は不明ながら長年米国防省が検討してきた「欧州米軍インフラ再編計画:European Infrastructure Consolidation plan:EIC」も発表され、英国内でも米軍基地の閉鎖が進められるようです
ロシアの動きもあり、「欧州やNATOも忘れない」とのメッセージをF-35で送りつつ、静かに欧州からの削減は今後も進むのでしょう・・・
8日付米空軍発表によれば
●米空軍は欧州への最初のF-35配備先を、英空軍Lakenheath空軍基地に決定した。航空機は2020年から配備が開始される
●同基地には2個飛行隊が配置され、各飛行隊は24機をそれぞれ保有する予定
●ヘーゲル国防長官や米空軍幹部は同基地選定の理由を、訓練空域、インフラ、総合的な訓練機会等から総合的に判断したものと説明している
●欧州米空軍司令官のFrank Gorenc大将は、「F-35は欧州とその関係国の集団安全保障に、新たな牙を与えるものである。確実に信頼になる抑止力を提供してくれる」と語った
●F-35の整備に関しては、イタリアとトルコが主要な整備基盤となることが発表されている。
9日付米空軍協会web記事は
●F-35配備基地の発表は、懸案であった「欧州米軍インフラ再編計画:European Infrastructure Consolidation plan:EIC」の発表と同時に行われた
●F-35配備基地発表とEICは関連していないが、米国防省の会見では、EICで閉鎖されるMildenhall空軍基地の任務移管でF-35を48機配備することが可能になっていると説明された
ちなみにアジア太平洋地域では
●2014年8月7日、米空軍はアジア太平洋地域初のF-35配備基地を、アラスカのアイルソン基地(Eielson AFB)にすると発表。同基地に2019年から48機(2個飛行隊)の配備が開始される模様
●米軍幹部は以前から、米空軍は最初のF-35海外(本土外)配備先はアジア太平洋地域だと発表していたが、「F-35をアイルソン基地に配備することにより、広大な面積を持つ複数の訓練空域を備え、大規模訓練が可能なJoint Pacific Alaska Range Complexを日常的に使用可能になる」と選定理由を述べている
●太平洋空軍司令官は、日本の嘉手納と三沢、韓国のKunsanとOsan基地も候補だと述べていたが、「ハワイは候補ではない。なぜなら既にF-22が配備されているからだ」とも語っていた。
/////////////////////////////////////////
欧州では「最初のF-35配備」と発表されていますが、2番目、3番目があるのでしょうか? 現在F-16が配備されているイタリア等への配備が考えられますか・・・
本当はEICの内容をご紹介できれば良かったのですが、最近、年末年始の不摂生がたたり体調が・・・
なおアラスカに関しては、やっぱり、「虎の子」のF-35を中国の弾道・巡航ミサイルの餌食になるエリアに配備なんかするもんか、との気持ちが痛いほど伝わってきます