27日、米空軍特殊作戦コマンド司令官が講演で、同コマンドが計画している精密近接航空支援に特化したAC-130J型へのレーザー兵器又はエネルギー兵器搭載を追求したいと語りました
29日付Defense-Techによれば
●米空軍特殊作戦コマンドのBradley Heithold司令官(空軍中将)は、27日にワシントンDCで開催されたNDIA(全米軍需産業会)特殊作戦・低烈度紛争会議で講演し、AC-130へのレーザー兵器搭載が可能な程度に、技術的成熟度が上がっていると語った。
●米空軍幹部が、AC-130へのレーザー兵器搭載に言及したのは初めてである
●既に米空軍は、同機の現状最新型であるW型には「30mm cannon」と「Small Diameter Bomb」や「Smart Bomb」のみを搭載する選択をしていたが、近接航空支援に特化したJ型には「105mm cannon」の搭載も決定したところ。
●この決定の背景には、「Small Diameter Bomb」が高価で、「105mm cannon」の方がより照準が正確だから、と同司令官は説明した
●米国防省は、特に海軍を先頭にエネルギー兵器への開発投資を拡大しており、海軍高官は米海軍艦艇へのレーザー兵器搭載に、継続的に取り組んでいる
●米空軍は弾道ミサイル防衛への応用を想定し、航空機搭載レーザー兵器に取り組んでいたが、当時のゲーツ国防長官が計画中止を命じた経緯がある
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肝心のレーザー兵器搭載に関する説明が不足の記事ですが、「精密な近接航空支援」を期待する攻撃型C-130に、精密照準が可能なレーザー兵器を、との話です
推測ですが、「精密な近接航空支援」は、周辺への被害を極限したいとのニーズから生じたもので、その一環として小型ミサイルである「Small Diameter Bomb」が導入されたのでしょう
また、レーザー兵器は「1発」の単価が安く、電力があれば弾丸を補給する必要がないので、レーザー装置が小型化できれば、航空機向きの兵器でしょう
ちなみに、ゲーツ長官が「計画中止」を命じたのは、ジャンボジェット機に巨大なレーザー兵器と搭載し、例えば北朝鮮周辺で待ち構え、発射された弾道ミサイルを初期段階で迎撃する構想です。
敵の容易な攻撃目標になる、そんな巨大な飛行機が敵国周辺上空で待ち構え、弾道ミサイルを迎撃するなど「ありえない」との判断でした。
その後の技術進歩で、C-130級に搭載可能な発展があったのでしょう。雨や雲の影響を受けるから日本ではだめ、と突っぱねるだけでなく、いろいろ勉強しておきたい分野です
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