9日、米国のSamantha Power国連大使が欧州連合EUのシンクタンクである「Friends of Europe」(在ブラッセル)で講演し、イラクやアフガンでの経験を活かし、欧州諸国はもっとPKO任務に参加すべきだと語りました
上記主張は、9月にニューヨークで予定の国連総会でオバマ大統領が持ち出す模様で、当然日本にも「矛先」が向いてきそうな気がするのでご紹介します
10日付Defense-Newsによれば
●9日、米国のPower国連大使は欧州諸国に向けて「欧州諸国はPKO任務から撤退気味である・・・・我々はそれぞれに応分の公平な負担を担うべきである」とブラッセルのシンクタンク「Friends of Europe」で訴えた
●更に同大使は「欧州の各政府は、今日の危機に対応するため、応分の軍事力と財政力で貢献しなければならない」と主張した
●そしてPower大使は、世界の人口の約12%を占める貧しい国が、国連PKO任務の43%を担っていると語った
●1990年代の旧ユーゴスラビアSrebrenicaやルワンダでのPKOの失敗は、欧州諸国のPKOへの躊躇が原因の一つである
(注:Srebrenicaではオランダ軍PKOが派遣されていたが、セルビア人による約8000人のイスラム教徒「ボシュニャク人」撲殺を阻止出来なかった。ルワンダにはカナダ人司令官のPKOが派遣されていたが、数十万人のジェノサイドを防止出来なかった)
●同大使は、欧州諸国のPKOへの再貢献を促し、アフガンに35000人を派遣していた当時の経験蓄積に言及し、「国連PKOはその経験から極めて多くを得ることが出来るはずだ」と訴えた
●そしてPower大使は「米軍人は既に100カ国以上で任務に関与しているが、昨今のイラクやシリアにおけるIS対応などの厳しく広範な情勢を考えれば、危険なアンバランスが生じていると言わざるを得ない」と強く主張した
/////////////////////////////////////////////////
当然この種の要求は、韓国や日本にも向けられるのでしょう。
韓国はアフガンにも派遣して犠牲者も出していますし、今後は日本にも資金だけでない人的貢献要求が強くなるのでしょう
私が米国人であれば、当然Power大使のように訴えるでしょうし、「導火線の短い」まんぐーすなら、「もっと危険なPKOに人を出さないと、日本を守ってやらないよ・・」ぐらい言いそうな気分になります。
でも日本人としては、今日の中東やアフリカの混乱の原因を作ったのは、植民地支配で甘い汁を吸った欧州諸国の皆さんでしょ!・・だから頑張ってね!・・とも言いたくなります。
でも、もっと心を鬼にして言えば、CSISのルトワック氏のように「欧州地域が今のような形に落ち着く過程で、仮に国連PKOのような組織が活動していたら、今頃欧州は難民キャンプだらけだろう」との視点も、歴史の実態を読み解く上で重要だと思います
ウィキペディアの情報
Srebrenica撲殺→→
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%8B%E
3%83%84%E3%82%A1%E3%81%AE%E8%99%90%E6%AE%BA
ルワンダの涙→
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E8%99%90%E
6%AE%BA