グアムに爆撃機受け入れ部隊常駐へ

andersenGM.jpg米空軍グローバル攻撃軍AFGSCのStephen Wilson司令官が、グアム島への展開が急増している爆撃機部隊の受け入れを円滑にし、爆撃機部隊の負担を軽減するため、30名程度の爆撃機部隊受け入れ専門部隊をグアム島に常駐させる計画を明らかにしました
現在細部を太平洋空軍と詰めているようですが、9月に先行要員が到着し、来年春には運用体制を確立したい計画のようです。
グアムの態勢強化に関する小さな動きの一つですが、グアムの現状を象徴する出来事ですのでご紹介します
15日付米空軍協会web記事によれば
AFM1012.jpg●AFGSCのWilson司令官(中将)は米空軍協会機関誌の取材に対し、Minot空軍基地とバークスデール空軍基地から30~34名から編成される爆撃機受け入れ部隊を常駐させる計画だと語った
●常駐部隊はCBP(continuous bomber presence)でグアム島に展開する爆撃機部隊を支援する任務を持ち、指揮官は中佐で、8名程度の士官が含まれる予定だと同司令官は語った
●常駐派遣部隊の約半数は作戦運用担当者で、作戦計画、通信、飛行安全、評価観察標準化、捕虜対処(Survival, Evasion, Resistance, and Escape)の専門担当を含んでいる
●常駐部隊指揮官の予定者であるPritchett中佐(AFGSCの航空作戦センターで副作戦部長)は、他の半数は機体整備担当者で、地上整備機材や機上エンジニア等の整備関係要員が多数含まれていると語った
太平洋空軍も人員配置を再検討中
Andersen AFB3.jpg●AFGSCによるグアム常駐部隊編成は、昨年11月に実施された業務改善評価チームの提言が契機となっている。グアムへの爆撃機の展開が増え、米本土からそのたびに人員を派遣していたのでは部隊への負担が大きかったからだ
●同チームの一員だった少佐は、爆撃機部隊による人員配置検討の他に、米太平洋空軍も新たな人員配を検討中だと語り、「余りにも多くの演習や航空機を太平洋軍も支援せねばならず、新たな施策が求められている」と語った
Andersen AFB4.jpg●グアム島の現状について、「かつてグアム島のアンダーセン基地は、長期間の眠りについた空虚で巨大な飛行場だった。ほとんど何も起こらなかったのがグアム島だったが、今やそうではない」と語った
●更に同少佐は「今や毎月演習が行われている。大きなものでは約2200名が参加する毎年のCope North演習、隔年で実施される3200名が参加のValiant Shield演習がある。このほかにアンダーセン基地はCBP、空中給油機、グローバルホーク無人偵察機、輸送機、海軍機、同盟国航空機を支えている」と説明した
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グアム島のアンダーセン空軍基地や海軍基地では、施設の強化工事が盛んに行われているようです。
一方で、中国軍の弾道・巡航ミサイルの発達増強で、グアムの位置付けは米軍的には微妙であり、そのために豪州やグアム周辺の島々(サイパンやテニアン)、更には東南アジアの諸国軍インフラへのアクセス拡大を図っている米軍です
A2AD脅威下の作戦拠点グアム基地で今
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-1
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