サウジ軍発表を基にした各種報道によれば、6日未明、イエメンのシーア派武装勢力とサウジ軍との間の交戦で、イエメン側から発射されたスカッドミサイルをサウジ軍のパトリオットミサイルが迎撃した模様です
恐らくまだPAC-3ではないパトリオットで弾道ミサイルを迎撃したサウジ軍も頑張ったのでしょうが、イエメンのシーア派武装勢力という「非国家組織」が弾道ミサイルを使用したことが大きな衝撃です
7日付Defense-Newsによれば
●8日の週にスイスで和平協議が予定されている中、イエメンからサウジ領内に向けてスカッドミサイルが発射され、サウジ軍がこれを迎撃した
●今年3月26日からイエメンのシーア派武装勢力「Huthi rebel」に対する空爆を開始しているサウジ軍の声明によれば、サウジ空軍のパトリオットミサイルは、6日未明に飛来したスカッドミサイルを迎撃した。
●更に同日2時45分頃、多国籍軍の航空機が、スカッドミサイルが発射された「Huthi rebel」の山岳拠点近くの発射装置を攻撃して破壊した。
●多国籍軍にとって、イエメン武装勢力の弾道ミサイル排除が最優先課題となっている。サウジとイエメンの間で弾道ミサイルが使用されたのは初めて
●スカッドミサイルは、サウジ南西部の都市Khamis Mushaitに向け発射された模様である
イエメン武装勢力が優勢な中
●「Huthi rebel」は昨年9月にイエメンの首都サナアを占領し、今年1月にイエメン大統領府を占拠し大統領を国外に追い出した
●イエメン国内ではこれまでに、少なくとも2000人の犠牲者が出ている
●5日金曜日からイエメン武装勢力連合がサウジ国境付近で「これまでで最大規模の」攻勢を開始し、6日土曜日にはサウジ兵4名が死亡していた
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イエメンの情勢に詳しくありませんが、イランの支援を受けているとは言え、「Huthi rebel」なる武装勢力が弾道ミサイルを使用した衝撃は計り知れないと思います
また一つ、悪夢が現実になったわけです。
昨年10月時点で、サウジ側の要望に応じ、米国がPAC-3売却に向けた手続きに入ったと報じられていましたが、既に提供されていたかは不明です
中東湾岸諸国では、既にクウェートとカタールがPAC-3を購入しています