18日米陸軍は、ドイツを中心とした地域でNATO諸国軍を含む約5000名により、冷戦後最大規模の空挺演習を22日から開始すると発表しました
「Swift Response 15」と名付けられた演習には、米陸軍の他、仏、独、伊、蘭、英、ブルガリア、ギリシャ、ポーランド、スペイン、ポルトガル軍が参加し、9月13日まで実施される予定です
18日付Defense-Newsによれば
●19日から開始される演習は、「複数国が同時に空挺作戦を実施」する計画になっており、ドイツの他、イタリア、ブルガリア、ルーマニアが演習場となる
●米陸軍の声明によれば、「冷戦終了後に欧州大陸で実施されるNATO同盟国による空挺演習」となる
●演習は「同盟国の即時対応部隊が一体となって訓練」し、「強く安全な欧州を維持するため、同盟国軍が迅速に機動し作戦可能なことを示す」事が可能なように設計されている
●米陸軍の声明はウクライナでの紛争について言及していないが、2月の停戦以降、しばらく沈静化していたウクライナ国内だが、最近は戦闘があちこちで発生するようになってきている
●先週、とある研究機関が、NATO側の演習増加により欧州での戦争勃発の可能性が高まっていると指摘したが、NATO側はNATOによる演習がロシアの過激な行動に対処するためだと反論したところである
●演習のハイライトは、26日に実施予定の1000名以上の兵士と装備による空挺降下(@ドイツ)である。なお本演習では、1999年のコソボ紛争以来初めて、第82空挺師団が欧州での活動に参加する。
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これは米陸軍の演習ですが、米海兵隊も続々と大型の装備を欧州に輸送し、事前集積しているようです。
何となく、昔習った「戦い」の復習のようなので、陸軍も海兵隊も「喜々として」活動しているように見えます
一方アジア太平洋地域では・・未経験レベルの敵対国・中国の出現により、どうするべきかの「コンセンサス」や「共通認識」がないままに、右往左往しているような気がします。
8月16日、このような状態につけ込むように、沖縄県知事が「弾道ミサイル技術が発達しているなかで(沖縄海兵隊や米軍は)抑止力にはならない」と問題の核心を突いて中谷防衛大臣に迫りました。
中谷大臣は持ち前の「天然ぼけ」を発揮し、「在沖縄米軍による抑止力の重要性」を繰り返し語ったようですが、笑えない話です。
本来はワラにもすがるべき沖縄県知事が、かねてより準備していた「捨て身」又は「中国仕込み戦略」を繰り出し、米国と日本の南西防衛上の「不整合」にくさびを入れる作戦を発動し、日本の姿勢が真に問われることとなりました
消化試合の「安保法制の国会議論」より、「真っ赤で5年先までしか見ない翁長知事」対応にこそ本腰を入れ、きちんと日本の防衛戦略を議論すべきだと思います
沖縄県知事の発言背景を理解し、対応を考察する基礎
CSBA提言の台湾新軍事戦略
「その1:総論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27
「その2:各論:海軍と空軍へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-1
「その3:各論:陸軍と新分野に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-27-2
「CNAS:日本もA2AD戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
「CSBA:陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「森本元防衛大臣の防衛構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
「脅威の本質を見極めよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「世界共通の中国軍事脅威観」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-30
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16