連休最後のゆったり学習企画:Close Air Support
米軍事メディア「Military.com」が作成公開しているシリーズ「・・の歴史を映像と共に学ぶ」より、「CAS:Close Air Support:近接航空支援」をご紹介します。
CASとは、航空機による地上部隊支援攻撃を意味しますが、大型爆撃機によるような戦略的な攻撃ではなく、より前線に近い部分で味方地上部隊の活動を直接支援し、我を有利に導く戦術的な攻撃を想定した言葉です
現代部分についてはほとんど細かな説明はなく、機種を紹介するのみですが、歴史部分がお勉強になります。
他にもこのシリーズには「空中戦」や「戦車戦」や「狙撃」や「動物の活用」等々を取り上げた企画があるので、ご興味のある方は「Military.com」の「VIDEO」から探してみて下さい
「CASの歴史を映像と共に学ぶ」
「CASの歴史を映像と共に学ぶ」の概要
●米軍ではWW2当初、航空戦力は爆撃機に攻撃が任務の中心で、地上部隊支援はほとんど考えられていなかった。しかし、ドイツや北アフリカで本格的地上戦が始まると、地上部隊の運用コンセプト欠如が明確となった。
●特に北アフリカの「Kasserin Pass」においてロンメル将軍率いる独陸軍に、1943年2月の僅か5日間で、6500名の死者と100両以上の戦車を失う大敗北を喫した事を契機に、航空戦力と地上部隊の連携戦闘が研究されていった
●最初にCAS用攻撃機として活躍したのが、P-47サンダーボルトであった。8つの15mm機関砲やロケット弾頭を搭載したP-47を保有する第14戦術航空団は、連合軍のナチス駆逐に大きな役割を果たした
●ベトナム戦争では、回転翼ヘリがCASに大きな役割を果たした。空中で速度を落としたりホバリングをして地上の捜索や警戒が可能で、より味方部隊との密接な連携を可能にした
●特に1967年に登場したAH-1コブラはベトナム戦に約1100機も投入され、ロケット弾や迫撃弾や機関砲を備えて、合計100万時間を越える作戦飛行を行った
●現在のCASは、A-10、AH-64アパッチ、AH-1スーパーコブラ、FA-18F、AV-8ハリアー等に引き継がれている。
●また特に対テロ戦では、MQ-1やMQ-9等の無人機もCASに投入され大きな役割を果たしている。今後、無人機と有人機の任務分担にも変化が見られる可能性もある
シリーズの他の企画にはこちらから
→http://www.military.com/video/defense-systems/air-defense/battlefield-101-close-air-support/4372428471001/
現代の米軍CASを巡る議論
「CASに大活躍のA-10全廃議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-07
「CASの最新技術を議論したい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-16
連休ぼけを払拭する記事3本
「RANDが米軍VS中国軍を分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-18
「イラン核合意で中露が大躍進へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08
「シリアに露軍機50機進出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21