米空軍F-35が8月2日にIOC宣言!!!

8月2日、米空軍は下記のF-35A部隊のIOCを宣言!
米空軍webサイト→http://www.af.mil/News/ArticleDisplay/tabid/223/Article/885496/af-declares-the-f-35a-combat-ready.aspx
Defense-News記事
→http://www.defensenews.com/story/breaking-news/2016/08/02/f35-ioc-air-force-operational-acc-combat/87948142/
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米空軍F-35は8月1日にもIOC宣言へ
5日には(派手な)式典を計画!
F-35 Hill AFB.jpg27日、米空軍で最初にF-35初期運用態勢IOCを宣言する予定の部隊長達が記者団に対し、IOC宣言の準備は完全に整っており、米空軍トップの判断があれば8月1日にも宣言可能だと語りました。
また米空軍関係者は、8月1~3日のいずれかにIOC宣言会見を行い、5日に当該部隊が所在するユタ州のHill空軍基地で式典を行う予定だと明らかにした模様です
今年春頃は、自動兵站情報システムALISの完成度が不足し、IOCは秋以降になると関係者が発言していましたが、今のALISでも何とか使えるとの見切り発車でIOC宣言する模様です。
またIOC宣言時の機数も、以前から12~24機でと語っていたところ、ギリギリの12機で宣言するようです
米国防省や製造企業としては、カナダの購入再検討宣言など海外受注が伸び悩んで資金繰りが苦しい中、何とか対外的に「予定通り」をアピールし、売り込みに弾みを付けたいところでしょう
第388整備群副司令官Anderson中佐は
F-35 Hill AFB2.jpg●我々はIOCに必要な全てのチェック項目をクリアーし、それらデータを空軍戦闘コマンドACC司令官に報告済みである
●また、Hill空軍基地が現在保有する15機のうち、12機は必要な5項目の改修を基地内で行い完了している。今後受領する機体に対しては、Lockheed Martin工場の製造過程に要改修行程が順次組み込まれることから、基地内での改修作業は減少する
改修項目には、雷発生地域から25nm離れなければならない制約や、G制限を緩和するための窒素不活性化改修(nitrogen inerting improvement)が含まれている
●Lockheed Martinから提供された機体は、ソフト「3i-P6.21」を搭載しており、以前問題になっていたレーダー動作の不安定は修正されている
16番目の機体は8月に受領し、2019年末までには72機が揃う予定である
連続158日間の仕事で8月1日を目指した
F-35 Hill AFB4.jpg●現在222名のF-35整備員が配置され、今後配属される教育中の整備員が150名いることから、IOC態勢に問題は無い
●ただし8月1日にIOC宣言するため、また12機全てで基地内改修を終えるため、当基地の整備員達は158日間連続で働き、予定より33日も早く改修を完了した
●問題が多いと指摘されてきたALISだが、IOC宣言に必要な6機の機動展開を支える要件を満たす事を確認した。今後、数ヶ月から数年かけて成熟度を増していくだろう
操縦者については、正規兵及び予備役兵を含め21名が戦闘任務可能態勢に有り、間もなく更に3名がその資格を取得するだろう。この戦闘態勢には、空対空、近接航空支援、阻止、限定的な敵防空網制圧任務が含まれている
第34戦闘飛行隊長Watkins中佐は
F-35 Hill AFB3.jpg●戦闘任務の近接航空支援任務で要求されているのは、現在F-16がアフガンで行っているようなタイプの任務で、GPS誘導やレーザー誘導爆弾を使用するものである。(A-10が実施しているタイプの任務ではない
我が飛行隊は、割り当て飛行時間を14.5%超過している状態にあるが、これは機体の信頼性が急激に向上してきている事と、使用している15機のうち9機が予定よりも早く部隊に配備されたからだ
●IOC宣言後の海外派遣の時期は未定で、それは戦闘コマンド司令官であるカーライル大将が判断することである
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33日も予定より早く」とか、「14.5%も予定より飛行している」とか、「機体の信頼性が急激に向上」とか、「9機が予定よりも早く部隊に配備」とか、普通は現場指揮官が決して発言しない「部隊能力を示す数値」がポンポン飛び出す辺りから、国防省や米空軍が発言要領をガッチリ固めている様子が窺えます
でも、現場部隊のがんばりは素直に賞賛すべきでしょう。米国で158日必要なら、日本ではその3~5倍くらい連続休み無し労働が求められそうで恐ろしいF-35ですが・・・
F-35 Hill AFB5.jpg5日の式典には、多くのメディアや諸外国関係者が招待され、大々的にショーアップされるのでしょう。でも読者の皆様は騙されないで下さいね!!!
本質的な問題は、そのままですから・・・。予算状況から絶対確実な調達機数削減が呼ぶ価格の高騰、本格的な試験や部隊運用を通じて初めて明らかになる機体の問題や対策、そしてその対処費用、ALISの不具合と外国が使用する際の混乱、急速な調達機数増加に伴う調達&維持整備体制への大きな不安などなど・・・これからですから
F-35の主要問題や課題一覧
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