これこそ「Show Of Force」のお手本でしょう!
ちなみに「Show Of Force」とは、敵に対し、文字通り我の戦闘能力や意思を示すことで、相手を威嚇し警告する軍隊の行動を指します。
7日、返還20周年を迎えた香港に、駆逐艦とフリゲート艦を従えた中国海軍の空母「遼寧:Liaoning」が入港し、陸海空に及ぶ厳重な警備体制が敷かれる中、新しい香港総督らの盛大な出迎えを受けました。
香港に永住権を持つ限定2000名が空母への訪問を許可され、海軍基地周辺が7日から11日まで飛行禁止エリアに指定される中、結構フランクに空母見学に興じたようです。
香港返還20周年記念では習近平が香港を訪問。3000名の兵士を前に閲兵式を6月30日実施して力を誇示し、7月1日の20周年記念式典では、一国二制度の成功を自画自賛し、民主化を認めぬ中国政府に失望した若者の間で台頭する香港独立の動きをけん制し、香港政府が「有効な打撃を与えた」として対応を讃えていたところです。
特に申し上げることもないのですが、複数の写真でその「Show Of Force」ぶりをご紹介いたします
空母戦闘群司令官Ding Yi少将は歓迎式で
●我々空母遼寧戦闘群は、香港返還のお祝いに参加するためやっていました。
●この訪問により、香港の愛国者の皆さんに、中国軍の進化発展をより一層ご理解いただけると信じています
新しい香港総督のCarrie Lam女史は
●中国政府が、返還20周年のこのタイミングに、空母派遣を許可してくれたことに感謝します
●この訪問により、香港市民の中国への理解と認識が大いに促進されるでしょう
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中古の空母をウクライナから譲り受け、「本当にモノになるのか?」との懐疑的な諸外国からの視線を受けつつ、2012年に就航し、中国製J-15を艦載機として訓練を続けている空母遼寧です。
カタパルトを装備していないため、艦載機の搭載量や航続距離が限定され、戦力としては依然「疑問符」の付く同空母ですが、こうして「Show Of Force」の役割を堂々と果たしていることは否定できない事実です。
そして今、この「遼寧」の経験をもとに、2隻目の空母が建造されており、間もなく進水・就航するだろうといわれています。なんだかんだ言われても、着実な歩みです。
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