ロシアの演習監視団排除と移動式ICBM演習

Topol ICBM.png色々な話題が世界を駆け巡る今日この頃ですが、「東京の郊外より」は最近忘れられがちな、ロシア関連の話題を2つお届けします
一つは、東西陣営の接点にあるベラルーシで、ロシア軍が先月行った大規模演習に関する欧州米陸軍司令官のコメントで、もう一つはロシア西部全域を範囲とする移動式ICBM演習についてです。
米軍事メディアも、短い簡単な事象を伝えるだけの報道で紹介しているだけですが、コソ泥のような動きが得意なロシアのことですから、ご紹介しておきます
9月中旬の「Zapad 2017」演習に関し
Zapad 2017-2.jpg●2日、欧州米陸軍司令官であるBen Hodges中将がNATO司令部で会見し、ロシアが先月ベラルーシで行った「Zapad 2017」演習に関し、ロシアは演習を分割することで演習の規模を小規模に見せかけ、ロシア側が主張する12700名との参加人員をはるかに上回り、欧州OSCEが定めた軍事監視団の視察を受け入れるべき兵員数を超えた規模の演習を行っていたと訴えた。
●そして同中将は、「我々の推測では、4万人以上の兵士が演習に参加していたはずだ」と主張した
●更に同司令官は、「細かに分割されていたものの、すべての演習は政治的に関連づけられていた」と説明した
●本演習に関しロシア国防相は、ロシア軍とベラルーシ軍を合わせて12700名と、航空機70機、戦車250両、10隻の艦艇が参加すると発表していた
60台以上の移動式ICBM発射機が演習
Topol ICBM 2.jpg3日、インターファックスがロシア国防省の発表として、ロシア軍の移動式ICBM発射機60台以上が参加する演習が実施されていると報じています
●演習に参加しているのは、ロシア軍が保有するICBM(Topol, Topol-M and Yars)を搭載した60以上の移動式ミサイル発射機で、大型トラックにICBMを搭載し、敵の偵察衛星や航空偵察による把握を極めて困難にするものである
●ロシア国防省によれば、演習はモスクワ北西の「Tver region」からシベリア東部の「Irkutsk region」におよぶ、広大な地域を範囲として実施されている。
本演習は、ベラルーシでの「Zapad 2017」演習に続けて実施されており、NATO諸国をいら立たせている
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Zapad 2017.jpgこれだけで何かを結論付けることはできませんが、米国が揺れている間に、欧州NATO諸国に着実にプレッシャーを与えていることは間違いありません
トルコがロシア製の長射程高性能SAM導入を明らかにしたり、化学兵器の全面破棄完了を発表して米国を皮肉ったり・・・、特に東欧NATO諸国にとっては、眠りの浅い日々が続いているのでしょう
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