米議会が倍増以上の米本土ICBM防衛ミサイルを要求

GBI2.jpg17日付Defense-Newsは、米議会が米国防省とミサイル防衛庁MDAに対して、北朝鮮やイランからの大陸間弾道弾ICBMに対処するため、2021年末までに最大104発のICBM迎撃ミサイルGBI(Ground-based interceptors)を配備するよう、配備場所の検討等々を行いよう求めるレポートを作成したと報じています
このレポート「The conference report of the fiscal year 2018 defense policy bill」の位置づけをよく理解していませんが、記事は国防省が「何々しなければならない」と「must」で表現しており、大統領が拒否しない限り実行しなければならない性格のものの様です
ちなみに、現在GBIはアラスカのFort Greelyと加州の米空軍Vandenberg基地に配備されており、44発目が11月2日にアラスカに配備されたところです。したがって104発は、現在の数から60発増強する2倍以上の増強計画です
17日付Defense-News記事によれば
GBI-KV.jpg●この議会レポートが出る以前から、最近数か月間、国防省とMDAは現在の44発を計64発に増強する計画を練っており、9月には総計450億円の計画の第一弾となる150億円の2017年度予算を明らかにした。
ホワイトハウスも11月6日に、2018年度予算に追加で20発のGBIを調達し、アラスカの基地に追加の施設を建設する予算要求を行ったところである。
議会のレポートは国防省に対し、104発のGBIを配備する場所や必要施設を組み込んだ増強計画作成を求めており、2017年末までの提出が求められている弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)にも反映することを求めている
●そしてレポートは、2021年末までに全ての施設整備を実行すべきだとし、その中でも20発のGBIを可及的速やかに行うよう求めている
国防省は弾道ミサイル防衛見直しBMDRを提出後、90日でGBI増強計画を示すことを求められている。そこには、現在存在する(西海岸の)GBI配備基地だけでなく、米本土中部から東海岸も含めて配備候補地を見出し、米本土全体を防御できる体制構築が求められている
米議会は2013年度予算法の中で、2016年末までにGBI計画を提出するよう求めているが、政権交代に伴う弾道ミサイル防衛見直し(BMDR)開始により、その期限が延期されている
●また同時に、米議会は現在のGBIシステム全体の有効性と信頼性を検証するよう求めており、約60億円の予算執行を信頼検証後でないと認めない方針を打ち出している
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GBI.jpgつい数年前までは、GBIについては全く盛り上がらず、一部の研究者や学者がその必要性を訴えていたようなイメージですが、急速に機運が盛り上がっているようです
この記事が引用している金額があまりにも小さいので気になっているのですが、今後色々と報道が出るでしょうからその時に確認いたしましょう・・・。
GBI関連の数少ない過去記事
「宇宙配備のミサイル防衛センサーが必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31
GMDに関しては、「海国防衛ジャーナル」2017年5月31日付記事が、包括的に解説しており大変勉強になります
初のICBM迎撃実験に成功:米本土ミサイル防衛(GMD)とは
→http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50788602.html 

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