6日付ワシントンポスト紙は、トランプ大統領が1月18日に国防省を訪問して情勢ブリーフィングを受けた際、居並ぶ国防長官や統合参謀本部議長や4軍のトップを前に、仏独立記念日にシャンゼリゼ通りで行われるような軍事パレードを、DCのPennsylvania Aveで検討してくれないかと要請したと報じました
7日暫定予算状態の問題を訴える記者会見を行ったマティス国防長官も、大統領のこの要望を認め、大統領の米軍兵士たちを讃えたいとの気持ちから出た話で、国防省としていくつかのオプションを提案する予定だとのみ語り、米軍を取り巻く予算不足や相次ぐ海外派遣などと絡めた質問には直接回答しませんでした
またホワイトハウスの報道官は、パレードが実現するかやどのような形になるか等を語るのはまだ早いとコメントし、「大統領は単に少し異なった方法で軍隊を讃えたいと考えているのだ」と説明しているようです
思い付きのように見える大統領の検討要請に、早くも多くの反対意見がメディアを賑わしていますが、湾岸戦争終了後の1991年6月8日以来の軍事パレードになるのか・・・現在の米国を見る縮図として取り上げます
8日付Military.com記事によれば
●8日の会見で国防省報道官は、ホワイトハウスの前を通るPennsylvania Aveではない場所になる可能性があると語った。そして「大統領はシンプルにオプションを求めており、目的は兵士たちを讃えることにある」と表現した
●最終的には大統領が決めるであろうし、国防省も計画を固めたわけではないが、米陸軍が中心となって計画立案を行うことになろうとも同報道官は説明した
●軍事パレードの日にちも決まっていないが、「退役軍人記念日」で、「WW1終戦100周年記念」にもあたる11月11日が一つの有力候補と言われている
●ただ、Military Timesが実施しているweb賛否投票では、8日午後の段階で約51000名が投票し、89%が「No」と回答し、予算の無駄遣いや多忙な軍の負担になるとの反対理由が上がっている
●7日には複数の民主党議員が連名でマティス長官宛の書簡を出し、パレードのかかる経費見積もりと、シリア・アフガン・イラクで戦う軍への影響を質問している同書簡では「戦時にあって兵士が命を懸けて作戦に従事している中、このような軍事パレードは不適切で浪費だ」との言葉で計画検討を非難している
●一方で共和党議員の中には、「ソ連式の軍事パレードは良くない」が、兵士を讃え、戦没者を追悼するためのパレード自体は支持するとの意見を表明している者もいる。
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昨年フランスを訪問したトランプ大統領が、仏独立記念日の軍事パレードを見たことがきっかけだといわれていますが、多分、トランプ大統領にあまり深い考えはなく、「兵士を讃えたい」「グレートな米軍と米国を示したい」とのシンプルな思い付きだと思います
湾岸戦争終了時のパレードでは、シュワルツコフ大将を先頭に、紙吹雪の舞う中のパレードだったと思います。
せめて参加した兵士の思い出に残るような、最前線の兵士の士気が上がるような演出にしてほしいと思います。
三浦瑠璃女史による話題沸騰・賛否両論のトランプ政権とK半島分析(1月31日と2月12日)
→http://lullymiura.hatenadiary.jp/