脅威は弾道ミサイルだけじゃない。巡航ミサイルと超超音速ミサイルが大きな脅威に!
22日、上院軍事委員会で証言した国防省No3のJohn Rood政策担当次官は、今後2か月程度の間に、核態勢見直しNPR等を受け、ミサイル防衛態勢見直しMDRを発表すると述べました。
ミサイル防衛態勢見直しMDRは、年明けから段階的に発表されてきた、国家安全保障戦略NSSや国家防衛戦略NDSを受け、先ほど低出力核兵器開発や潜水艦発射巡航核ミサイル開発を打ち出した核態勢見直しNPRを踏まえて作成されるものです。
元々はNPRと共に昨年のうちに発表される予定でしたが、予算的裏付けを詰める必要があり、2019年度予算案の詰めを待ってNPR発表が延期されてきたことから、MDRも作成公表が遅れているものです
なんと言っても特徴は、もともと「弾道」ミサイル防衛見直しBMDRのはずだったものが、「弾道」との言葉が取れて単なるミサイル防衛見直しMDRと名称が変更になったことです。
23日付米空軍協会web記事によれば
●22日、John Rood政策担当国防次官は上院軍事委員会で、ミサイル防衛体制の細部を見直す「ミサイル防衛見直しMDR」を、ここ数か月以内の春に発表すると証言した
●そして当初はBMDRと呼称されていた同見直し報告書では、弾道ミサイルだけでなく、超超音速ミサイルや巡航ミサイルの脅威も含めて対応を検討すると説明した
●同国防次官はMDR作成状況について、「現在作成作業中であるが、今日の脅威環境を形成する多くの課題を見据え、それら脅威に先行して対処する必要性を指摘するものだ」と説明した
●そして、当初「BMDR: Ballistic Missile Defense Review」としていたものから「Ballistic」を取り除いた件について、超超音速ミサイルや巡航ミサイルの脅威が増大していることをあげ、関連付けて対応する必要があると説明した
●更に同次官は対応が必要な重要課題の一つとして、対処すべきミサイルがまだ脆弱な「打ち上げ段階:boost phase」で如何に無効化するかであると語った
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最近1か月間あまりで、急速に中国やロシアの超超音速兵器(hypersonicsミサイル)や巡航ミサイル(ロシアが欧州正面に配備したといわれるINF全廃条約破りのミサイル等を含む)が注目されるようになってきました
サイバー戦や宇宙戦だけでなく、従来の通常兵器の延長兵器でも、抑止概念の再構築を迫られる事態となっています。
でも・・・こんな時に、ネオコンの権化といえるボルトンが安全保障担当大統領補佐官になるなんて・・・、いよいよ不安な時代になりました
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