艦艇搭載の無人攻撃輸送ティルローター機を
9日、米海兵隊が構想している大型の無人攻撃輸送ティルローター機(MUX)に関する基礎技術情報提供の依頼書を関連企業に発出し、MUX構想が話題になっています。
2025年までに地上からの運用を開始し、2028年には強襲揚陸艦など艦艇からの運用も開始を構想しているという、フル装備で行動半径700マイル、オスプレイ等をエスコートでき、ネットワーク戦の中継ハブにもなり、対地支援や目標照準や攻撃任務や電子戦にも活躍を期待される「盛りすぎ感」もある代物です
本日は、発出された35ページの情報提供依頼書から明らかになった構想の概要をご紹介します
13日付Military.com記事によれば
●MUX(Marine Air Ground Task Force Unmanned Aircraft System-Expeditionary)の主任務には早期警戒、ISR、電子戦、通信中継が含まれ、これに続く任務の位置づけで、地上支援攻撃、エスコート飛行、物資輸送が情報提供依頼書に含まれている
●2年前の段階で海兵隊はMUXについて、F-35Bが搭載できるすべての兵器が搭載可能で、高度3万フィートを飛行可能で、指揮統制と電子戦能力を備えるものと表現していたが、空中給油を受けることが可能で、垂直離着陸可能で、不整地にも着陸可能な能力を求めていることが明らかになっている
●関連で米海兵隊は、MUXに機体の内部と外部を合わせ計9500ポンドの搭載能力を求めており、その中に含まれるのは
・AGM-114 Hellfire air-to-surface missiles;
・AIM-9X air-to-air missiles;
・advanced precision kill weapon system (APKWS) laser-guided rocket;
・AIM-120 AMRAAM;
・AGM-88E Advanced Anti-Radiation Guided Missile (AARGM);
・small-diameter bombs;
・射出型UAV for 早期警戒と電子戦
●米海兵隊は、地上離発着で2025年に初期運用態勢、2028年に艦艇への垂直離着陸で初期運用態勢確立を目指し、完全運用態勢確立を2034年に計画している
●MUX計画に関心を示している企業で明らかになっているのは、「Bell」のV-247 Vigilant tiltrotor aircraft、「Piasecki Aircraft」のARES、「Boeing」のtail-sitting designで、今後の動向が注目されている
●あまりにも「盛りだくさん」な要求性能に、実現可能性を懸念する声もあるが、海兵隊幹部は自信を示している
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平昌冬季オリンピックの開会式で、大量の小型ドローンを使用して空中に「五輪の輪」や「マスコット」を描く演出が注目されましたが、このような大型の艦載機方面でも夢は膨らんでいるのでしょう・・
それにしても、ここまで重装備するのであれば、F-35Bの代わりに無人機を導入を考えてもいいのでは・・・と考えてしまいます
無人兵器&装備の群れ関連
「都市戦でも無人機の群れを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09
「群れ巡航ミサイル開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-02
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
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「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10