日本人が共同ディレクターの東アジア部門に所属へ
17日、ワシントンDC所在のシンクタンクStimson Centerが、ジョンズホプキンス大学SAISを去ることになった北朝鮮ウォッチ&分析で著名な「38 North」を、6月1日から同センターの東アジア部門所属として迎え入れると発表しました。
「38 North」は、米国務省等で北朝鮮及び朝鮮半島情勢を見てきたJoel Wit 氏らが、2010年にSAISの米韓研究所(USKI)の部署ととして立ち上げ、核物理学研究者・AP通信元北朝鮮支局長・サイバー専門家等をメンバーとして運用してきたwebサイトです
「38 North」→https://www.38north.org/
特に、商用衛星画像を丁寧に分析し、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル開発等をタイムリーにサイト上で分析提供したことで世界に知られ、世界中の著名メディアがそのサイト情報を日々フォローしているところです
なぜ「38 North」がSAISの米韓研究所を離れることになったのか承知していませんが、南北が接近融和ムードの中、北朝鮮を厳しく冷徹な目でフォローしてきたチームに対する韓国側からの資金支援が難しくなったのかもしれません(100%邪推です)
そんな中、注目を集める北朝鮮情勢フォローに欠かせない「38 North」を、極東の安全保障を考える基礎情報を提供してきた「38 North」を、日本女性辰巳さん(日本部門担当)が中国部門担当の中国女性と共に共同ディレクターを務めるStimson Center東アジアチームが引き受けるとの報は、日本人として喜ばしい限りです。
公式には6月1日からStimson Center所属になるということですが、既に「38 North」webサイトの上部には「Stimson」のバナーも見られ、移籍はスムーズに行われているようです。
以下では、移籍を発表するStimson Centerのwebサイトから、関係者の言葉をご紹介します
17日付Stimson Center発表によれば
●StimsonのCEOであるBrian Finlay氏は、「歴史上の時を迎えている朝鮮半島は、事実に根差した高品質な情報分析を求めている。38 Northは他を凌駕し、今の時代に最も重要な事象へのタイムリーな用法を提供する。このような38 Northチームを向かい入れることができることは望外の喜びである」と述べている
●Stimson東アジア部門の共同ディレクターを務める辰巳さんとYun Sunさんは、「朝鮮半島の動向は目を離せない状況にあり、このタイムミングで38 Northチームとその専門能力をStimson Centerに迎えることにスリルに似た感情を覚える」とコメントしている
●38 Northを代表してJoel Wit氏は、「Yun SunさんとYuki Tatsumiさん。そして故Alan Romberg氏によって導かれたStimson Centerのチームは、東アジア分析におけるリーダーとしての役割を果たしてきた。私は同僚のJenny Town及び38 Northチームと共にStimsonと協力し、朝鮮半島情勢に関する実践的で偏りのない分析を引き続き提供していきたい」とのコメントを寄せている
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大小100個とも言われる各種シンクタンクがしのぎを削るワシントンDCで、なぜStimson Centerが38 Northを引き受けることになったのか・・・。そのあたりの背景や道筋を是非お伺いしたいところです・・・。
ちなみに辰巳さんはSAISで修士号を取得され、その在米日本大使館での専門調査員等を経て、Stimson Centerでの研究員生活を始められたとどこかで拝見したことがあり。このSAIS繋がりでしょうか・・
北朝鮮ウォッチを日中共同チームでやるような、政治の世界では決して実現しそうもない枠組みの成立ですので、ぜひ応援したいものです!!!
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