米空軍情報部長が露中のAI野望を語る

AIが将来を決すると認識し、中露は共に、AIで世界制覇を
Jamieson3.jpg26日、米空軍情報部長であるVeraLinn Jamieson中将が空軍協会朝食会で講演し、中国とロシアが軍事技術革新やAI(人工知能)の軍事分野への応用を重要課題ととらえている様子を、「中国は膨大な資金を。ロシアは大きな野望を」 と表現して説明し、危機感を訴えました
Jamieson中将は初めての女性空軍情報部長であるだけでなく、まんぐーすが知る限りずっとくパイロットが占めてきた同ポストに、情報将校としてキャリアを積んできた人材が(恐らく)初めて就任した初めてのケースとして注目される人物です
2016年11月から本ポストについており、今年1月4日にも空軍協会で作戦部長と共に講演し、中国軍とロシア軍の最新分析を語っており、「ロシア軍はシリアでの活動に、交代でロシア空軍操縦者を派遣して実戦経験を積ませている。既に操縦者の85%がシリアで実戦を経験した」と興味深い統計を披露しています
そんな情報通のJamieson中将(年齢からすると、恐らく本年中に退役になると推測)が、AI分野へ中露の取り組みを語っていますのでご紹介します
Jamieson中将は26日の空軍協会朝食会で
artificial intel3.jpg中国は計算速度で世界1位と2位のスーパーコンピュータを保有し、軍民が協力して研究に取り組む「人工知能都市」を複数設けている
●また中国は、次世代の人工知能や軍需産業を育成するアクションプランを発表しており、更に2030年までにこれら技術分野で世界のリーダーになることを目標にすると宣言し、17兆円もの資金投入も打ち出している
●この投資額を分野別に追ってみると、米空軍情報部の推計では、2017年に中国が人工知能分野に投入した資金は1.4兆円で、2020年までにはこれが8兆円近くにまで膨れ上がる
●このような膨大な資金力が、中国をして人工知能分野における壮大な挑戦(true moonshot)を可能にしている。そして中国は世界支配を達成するため、スーパーコンピュータ、人工知能技術の中核、そして世界的な才能を確保し、世界最大の技術アセット大国になることを目指している
Jamieson.jpgロシアも、プーチン大統領が声明を発表しているように、人工知能を制する者が世界を制すると認識してる
●またより明確に、ロシアの国営メディアは、ロシアが米国を打ち破るためには、人工知能がカギとなると報道している
●ロシア政府の関連閣僚や科学アカデミーは、人工知能開発強化のための10項目からなるプランを最近発表し、その中には、学会と産業界の橋渡しをする「国家人工知能センター」の設置が含まれてる
●このセンター設置は、米国が最近発表した「United States Joint Artificial Intelligence Center」を真似たものだとロシア側関係者自身が認めているものだ
●ロシアはビックデータと人工知能コンソーシアム構築を目指しており、軍事作戦に人口知能が与える影響を見極めるための人工知能ウォーゲームを行っている
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artificial intel.jpg中国が資金にものを言わせ、人材と最新機材を備えた研究環境を用意し、人工知能で世界を支配すると言えば、米国も太刀打ちできないと思います。中国内が混乱しない限りは・・・
ロシアも中国ほどではないにしろ、民主主義の手続きや人権等に縛られない環境にものを言わせ、プーチンが資源と投入すれば、特定分野で米国を圧倒することになるのでしょう・・・
トランプ騒ぎで西側の足並みが乱れているうちに、あと5年もすれば、世界の軍事力関係が変わっているかもしれませんねぇ・・・
初の女性情報部長Jamieson中将
「中国軍とロシア軍を語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-06
「同部長のご紹介記事」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02
VeraLinn Jamieson米空軍情報部長の経歴
→http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108431/brigadier-general-veralinn-dash-jamieson.aspx

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