在韓米軍司令部が70㎞南へ移動完了

兵士28000名がソウル周辺から南下脱出
費用の9割を韓国支出のプロジェクト完成
koreasaihenn2.jpg6月29日、新しい在韓米軍司令部(兼ねて米韓連合司令部と国連軍司令部)ビルの開所式典が行われ従来の南北軍事境界線から30㎞しか離れていないソウルにあった在韓米軍の主要施設が、約70㎞南の「Camp Humphreys」を大幅拡充した新施設群に移動しました
この移転は、韓国内の各地に分散する多数の米軍施設を集約する「在韓米軍再編」施策として長年計画されてきたもので、図に示すように、在韓米軍約28000名を大きく二つの地域(Camp HumphreysとDaegu 地区)に集約するものです
元々、韓国勤務は米軍兵士に不人気で、その背景には「テレビドラマの影響で韓国が未だに泥道だらけと誤解している」とか、時に爆発する韓国の反米反米軍感情があります
usforceskoreahq.jpgそのため、2010年頃までは韓国勤務は1年交代で行われてきた経緯があり、今は欧州や日本並みの3年間になったようですが、今回Camp Humphreysには充実した住居や福利厚生施設が準備され、赴任先として人気のない現状打破を目指すものとなっています
トランプ政権が在韓米軍削減を打ち出すのでは・・・とのうわさも流れる中、Vincent Brooks在韓米軍司令官はその噂否定に懸命ですが、DMZから30㎞地点から100㎞地点まで南下ですから、大きく後退であることは真実です。
2日付Military.com記事によれば・・・
●6月29日の新司令部施設開所式でVincent Brooks在韓米軍司令官は、今回の移転が長年計画実行されてきた在韓米軍再編施策の一環であり、韓国政府との協議の基に、韓国からの多くの支援を得て行われていることを強調した
Brooks-pacam2.jpg●また、今回のソウル市内のYongsan garrison からの移転が、米国による朝鮮半島防衛コミットメントの削減につながるものではないとも強調した
●新しい司令部庁舎は約85億円をかけて建設され、元統合参謀本部議長で在韓米軍司令官経験者である故John Vessey陸軍大将にちなんで命名されている
●またCamp Humphreysへの10年間をかけた移転事業全体は、約1兆2000億円のプロジェクトであるが、その費用の9割を韓国が負担している点にBrooks司令官は開所式で改めて言及した
韓国大統領も開所式にメッセージを寄せ、「私の在韓米軍の皆さんへの信頼は無限大である。揺るぎない米韓連合の防衛体制への、皆さんの永続的な貢献をお願いする」と期待を述べている
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8年前の記事によれば・・・新施設は
●設計プランナーによれば、司令部施設のほか、ここは部隊訓練、整備及び物品保管の最新施設となる。
●建物は、これまでの米軍施設の経験を生かしたアイデアを取り入れたもので、嘉手納基地のPXや独訓練基地の施設も参考にしている。
korea3.jpgkorea2.jpg建物面積は現在の8倍になり、その規模はテキサス州フォートブリスの2倍以上になる。まるで一つの都市を建設しているようなものだ
独身者の部屋はベッドルームとシャワーは個人毎だが、リビングは共有する。
ショッピングエリアには、米国で生活するのと同じような品揃えを用意し、スポーツジムも「スーパージム」の名の通りの施設になる。家族のレクレイションエリアも今後検討して充実させる
日本の順調な???米軍再編と比較されないように祈ります・・・
関連の過去記事
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02

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