トルコとの現場レベル共同は継続中

本日の写真は、F-22の欧州展開関連です
F-22 German.jpg13日、トランプ大統領が2019年度予算(10月1日から使用)に署名し、改めて2020年度宇宙軍創設に意欲を示してその重要性を訴え、併せてF-35のトルコへの輸出を一時停止する条項にも触れて「トルコとの関係は良くない状態にある」と言及する一方、トルコのエルドワン大統領は同日、「米国に背中から刺されたようなものだ:」と反応するなど、不穏な空気が漂っています
そんな中ですが、中東シリア正面の米軍幹部からは「これまで通りの連携を行っている」との発言が出ていますので、13日の週の動きとしてご紹介しておきます
あわせてそんな中、米本土から久々にF-22が欧州に展開し、ドイツを拠点に、ギリシャやポーランドやノルウェーに展開し、各地でプレゼンスを強調しています。
15日付米空軍協会web記事によれば
Turkey USA.jpg●13日にトランプ大統領が、トルコの最近の行動が与える影響に関する報告書がまとまるまで、トルコへのF-35提供を停止する条項を含む2019年度予算案に署名し、「米トルコ関係は今良くない」と発言する中になっても、現場での米トルコ協力は淡々と継続している模様である
●14日、生来の決意作戦(OIR)多国籍軍の戦略部長Felix Gedney米陸軍少将は、トルコのインジュリック空軍基地からの航空作戦は多国籍軍の作戦を支え、シリア北部における共同パトロールは日常的に問題なく日々行われていると状況を会見で説明した
●更に同少将は、他の多国籍軍部隊とトルコ軍部隊の共同作戦訓練も一つの部隊活動として行われているところである。この訓練は各国軍が別の担当分野を連携して行うタイプではなく、統合して有機的に一つの作戦を行う高度な訓練であるとも説明した
●そして同少将は、トルコ軍との同盟国としての関係には、前線レベルで何の変化もないと強調し、「トルコは極めて重要な世界の中のパートナーである」と表現した
5機のF-22から米本土から欧州へ展開中
F-22 US F-35 N.jpg●フロリダ州のティンダル米空軍基地から飛来した5機の第95戦闘飛行隊のF-22が、8日ドイツのSpangdahlem米空軍基地に到着した
10日はそのうちの2機がギリシャのLarissa空軍基地に展開して訓練を行った。欧州米空軍は「米空軍による当地域への関与と作戦能力を示すための展開だ」と声明を出している
●また15日、ドイツに展開中の米空軍F-22と、ノルウェー空軍のF-35が、ノルウェー上空で初めて共同訓練を行い、編隊飛行する写真が公開された
●更に15日、欧州米空軍は5機のF-22がポーランドのPowidz空軍基地に展開したと発表し、同基地に滞在中、ポーランド独立100周年記念祝賀行事のためワルシャワ上空で展示飛行を行うと明らかにした
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F-22 Poland.jpgロシアやトルコが、「ラプター5機で夜も眠れず・・・」状態になったとも思えませんし、米会計検査院GAOから「そんな風にばかりF-22を使用しているから、第5世代機の能力発揮に必要な訓練が十分できず、米納税者の期待に反している」と指摘されているところですが、これも13日の週の動きとしてご紹介します
OIR幹部である米陸軍少将の発言は、マティス国防長官の姿勢や発言をそのままのようにも感じられ、何とか国防省としての一体感は保たれているようです。
しかし・・・トランプ大統領は、辞めた側近や閣僚からの暴露話で引き続き炎上中で、それが常態となって世間はあまり何も感じなくなってきているような気がしますが、政権としての行く末が懸念されます。やっぱりマティス長官が最後の砦でしょうか・・・
関連の記事
「マティス長官がトルコF-35を擁護」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24
「6月に1番機がトルコに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-15
「GAOがF-22運用法を批判」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-2
「F-22アフガンで初出撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25-1
「F-22初飛行20周年」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-12

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