新しい在日米軍司令官はアジア極東のベテラン

前職は太平洋空軍と太平洋軍の参謀長
F-16操縦者で韓国と三沢勤務あり
多国籍操縦者教育部隊の隊長経験も
Schneider.jpg5日、米空軍横田基地で太平洋軍司令官Phil Davidson海軍大将と太平洋空軍司令官CQ Brown空軍大将の列席の元、新しい在日米軍司令官(兼ねて第5空軍司令官)の就任式典が行われ、昇任したばかりのKevin Schneider空軍中将が就任し、部隊の旗を Brown司令官から手渡されました
前任者の輸送機パイロットJerry Martinez中将は、33年間の空軍人としての勤務を終え、退役されるそうです。在日米軍司令官を最後に制服を脱ぐ方は珍しいですが、アジア経験が無く、在任中に米軍兵士や軍属の日本国内での犯罪が多く、また三沢のF-16が燃料タンクを基地近傍の池に投下して漁業被害を出し、基地の整備部隊がデタラメだとの調査結果が出るなど、事件事故が多かった厳しい勤務であったことは間違いありません
5日付米空軍協会web記事と公式バイオより
Schneider新司令官と主要な経歴
Schneider2.jpg1988年に空軍士官学校を卒業(防大32期相当か)後、F-16操縦者として最初の勤務地は韓国のOSAN基地で、次の任地が三沢基地で1995年12月まで勤務。戦闘機パイロットとして最初の5年間を極東に防衛にささげた
●その後は操縦技量と識見ともに優れた士官として、ネリス空軍基地のWeaponスクール教官パイロトを務め、またペンタゴンで少佐として空軍参謀総長の副官室勤務を経験する
飛行隊長は再び韓国駐留のF-16飛行隊で努め、その後、ドイツ勤務等を経て、同盟国操縦者の飛行教育を担当する航空団の司令官を経験する
統合職としては、中佐でJ-5の軍政関係担当を務め、空軍司令部では大佐で人的戦力管理部で将軍人事マネジメント課長を務める
●最近では、UAE内陸の米空軍戦力展開基地司令官、中央軍空軍の副司令官、太平洋空軍の参謀長、そして直前は太平洋軍の参謀長を2016年7月から努めている
5日の就任式典では

Davidson3.jpg●Davidson太平洋軍司令官は、「太平洋地域や日本周辺の課題について深く理解し、たぐいまれな能力を持った人物である」と新司令官を紹介し、
日米同盟について、70年以上に渡り地域安定の「cornerstone」であり、自由で開かれたインド太平洋のために心を同じくする国との協力で安全保障が確保されてきたし、太平洋軍の戦力発揮の信頼性は日本のような鍵となる同盟国との協力が不可欠だ、と述べた
●Schneider新司令官は、「この地域の平和と安全保障に対する明確な脅威を認識している」と述べ、「いかなる危機、脅威、災害に対しても、至短時間で対応できるような高いレベルの即応態勢を維持し無ければならない」と語った
Martinez.jpg●退役するMartinez前司令官に対し太平洋空軍司令官は、「彼が指揮した2年間は決して楽しい2年間ではなかった」、「事態は常に切迫しており、脅威は常に注視されなければならなかった」と労をねぎらった
●Martinez前司令官は、在日米軍司令官と第5空軍司令官として勤務できたことを誇りに思うとともに、「この素晴らしい日本という国で暮らすことが出来たことを、真に誇りに思う」と感謝の弁を述べた
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地域の情勢は言うに及ばず、韓国までが左旋回の度を強めるなか、ここは太平洋軍エリア経験が豊富で、直前まで上級司令部の参謀長を務めていた即戦力を投入し、風雲急を告げる極東の体制を安定させようとの狙いでしょう。
Trump8.jpgでもまぁその前に、同盟国との関係や、過去の経緯を無視しそうな最高指揮官(トランプ大統領)の如何なる思い付き行動にも、即応態勢でいる必要がありそうです。Schneider新司令官は・・・
そういえば米中東軍司令官は、トランプ大統領の米軍のシリア撤退発表について、事前に大統領から何の相談もなかったと上院軍事委員会で証言したようです・・・
Kevin Schneider新司令官の経歴
→https://www.af.mil/About-Us/Biographies/Display/Article/108888/major-general-kevin-b-schneider/
関連の記事
「三沢F-16整備部隊はでたらめ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-22
「空自の那覇救難隊を表彰」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-19
「前任Martinez中将の経歴」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-07

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