米空軍研究所が無人ステルス機初飛行

豪軍とボーイングの共同開発機に負けじと
1機2~3億円で調達可能とか
XQ-58A.jpg7日、米空軍研究所AFRLとKratos Unmanned Aerial Systems社が協力して開発しているデモ機「XQ-58A Valkyrie」が初飛行に成功し、映像が公開されました。初飛行で76分間の連続飛行を行ったようです
安価に作成して戦闘での損失を恐れなくてよい程度を前提に、約40億円の契約で2年半で開発された機体だそうで、技術デモ機として計5回の飛行試験を実施し、システム安定性、空力特性、離発着技術などを確認するそうです
ご覧のようなステルス形状のジェット推進で、長距離航続で早い方の亜音速飛行が可能な無人機で、MQ-9のような機体では活動が困難と考えられる「強固な防空網」空域での活動を期待されてます
この技術デモ機の応用範囲は広く、有人機が行っているほとんどの任務を代替できる可能性を持ち、またF-35編隊長の無人僚機(ウイングマン)「loyal wingman」としての役割をも視野に置いていると考えられます
公開された試験飛行映像

他の報道によれば、デモ機「XQ-58A Valkyrie」と並行して、人工知能AIによる機体操作ソフト開発「TACE:Testing of Autonomy in Complex Environments system」も進められ、小型ドローンでの試験が行われているようです
先日は豪軍とボーイングが共同開発する無人機のコンセプト映像をご紹介しましたが、米空軍もいろいろ考えている様です。
8日付Airforcetimes記事によれば
XQ-58A 3.jpg米空軍研究所のXQ-58A開発責任者であるDoug Szczublewski氏は、「戦術作戦機の価格高騰曲線を打破する取り組み」、「ゲームの流れを根本的に変える能力を提供しつつ、低価格で運用コストも低い無人機の初事例だ」と表現した
●空軍と共同開発しているKratos社の2016年リーフレットをによれば、XQ-58Aの価格は、100機未満なら1機3億円程度、100機以上は1機2億円程度となっている
●米空軍協会ミッチェル研究所のレポートは、「米空軍は有人と無人作戦機のチーム編成で、限定数の多様な能力を積み込んだ高価な航空機と、安価な無人機の組み合わせを追及すべきである」と主張している
●また同研究所は、「現在の無人機が運用に際し依存しているGPS機能が妨害により機能低下する事態に備え、真に自立した機能発揮が可能なシステムを開発し、強固に防御された空域での作戦に備えるべきだ」とも主張している
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XQ-58A 2.jpg約40億円の開発費と、2年半の期間で、既存技術を生かしてこれだけのものが実現でき、しかも価格が1機2~3億円なら90億円以上のF-35調達ペースを落としても、XQ-58Aの改良発展に投資した方が良いと思うのですが・・・。素人の知恵でしょうか?
突然、相次いで豪州と米国で、この種の無人ジェット機が公開された理由が良くわかりませんが、3月中旬の2020年度予算案発表に向けた「景気づけ」かもしれません
今後の動向に注目いたしましょう・・・
関連の記事
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2

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