この分野にもついに無人機が進出か
リスクを負う兵士の数を局限するため・・・
16日付米空軍協会web記事によれば、米空軍が敵地や厳しい環境での運用を想定した救難救助無人機の提案を募集し始めた模様で、提案の募集は「SBIR:Small Business Innovation Research」のwebサイト上に募集要件が掲載され、7月1日まで募集しているようです
ドローンの活用分野は様々に拡大しており、一般社会への普及と小型化や低価格化には驚くばかりで、ふと空を見上げた時にドローンを目にすることも増えてきました。(その多くが飛行禁止空域など考えていない飛行のような気がしますが・・・)
軍事への応用も様々ですが、任務上のリスクという点では最上位に位置する救難救助(rescue)でも、本格的に導入が検討開始されたようです。
ここでのレスキューは、航空機から脱出した操縦者の救助という目的だけではない、紛争地域や敵支配領域に侵入して任務を行う特殊部隊員の回収なども任務に含むようです
以下では16日付米空軍協会web記事から、その要求性能をご紹介し、米空軍のイメージを把握したいと思います
レスキュー無人機に求められる性能
●CH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能で、一方で地上クルーにより地上から30分以内に発進させることが可能
●2-4名と担架一台が輸送可能で、200nm飛行可能
●未舗装地への離着陸が可能で、指定された50×50フィートの範囲で離着陸できること
●敵から発見されない性能を追及し、特に離着陸時の騒音局限を重視する
●高いレベルの自立運航能力を備え、現有の無人機と同じく保全されたデータリンクで遠隔操作が可能
●様々な運用環境で使用可能で、ジャングル、砂漠、海上なども運用対象エリアに含まれる。
提案要求の説明文では
●国家防衛戦略NDSの狙いに沿い、世界中の作戦地域で、敵の攻撃下にあっても、戦力を展開させ、作戦させ、機動展開させ、再投入することを全てのドメインで実現する必要がある
●またこのような多様な想定では、人里離れた場所や、遠隔地での作戦遂行が求められ、このため低コストで小さなチームを投入・脱出させるオプションを増やす必要があり、併せてこれら輸送に伴う人的リスクを増加させないで実現する必要がある
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「CH-47へりやC-130輸送機から空中投下が可能」の部分に驚きましたが、よく考えれば必要な能力ですねぇ・・・
どの部分の要求のハードルが高いのかよくわかりませんが、非常に面白いです。この技術は「無人空中タクシー」にも応用できそうな気もしますし・・・
7月1日の締め切りが楽しみです。何らかの報道が出ることを期待いたしましょう
おまけ映像(これは有人機)
5月17日に初飛行した米空軍の次期救難ヘリHH-60W
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