米軍は名前写真を秘匿意図も大統領が写真公開
ベルギー・マリオン種の犬
同作戦の米軍側で唯一の負傷メンバーも既に回復
28日付Military.comは、IS指導者のバクダティー容疑者を自爆に追い込んだ作戦に関し、「驚くべき大きな仕事をした」米軍特殊部隊所属の「犬」の写真をトランプ大統領が公開したと伝え、名前は非公表との特殊作戦犬の写真を掲載しています
トランプ大統領がBelgian Malinoisとの種類の犬の写真をツイッターで公開した2時間前には、10月1日に就任したばかりのMilley統合参謀本部議長が、犬の活躍を讃え作戦で唯一負傷した作戦メンバーだと紹介しつつ、一方で犬の名前や写真を公開しないと明言していたところでした。
2011年にビンラディンを殺害した作戦の際も、「Cairo」との名前の特殊作戦犬の大活躍が報じられ、犬が装着していた無線機や暗視カメラ付きの特殊ベストまで大きな話題となりましたが、今回は犬を巡って大統領と米軍の意思不統一が明らかとなった形です
とはいえ、「tremendous duty:驚くべき大きな仕事」を果たし、名誉の負傷(軽症で今は復帰)を負った「メスのBelgian Malinois」は立派なので、ご紹介したいと思います
28日付Military.com記事によれば
●メスのBelgian Malinois種で名前非公開の犬が、IS指導者であるバクダティー容疑者をトンネルの奥に追い込み、自爆に追いやった作戦で、夜間における同容疑者の追跡と追い詰めに多大なる貢献をした模様だ
●トランプ大統領がツイッターで写真を公開した同作戦で唯一負傷したメンバーである犬は、名前は引き続き非公表であるが、既に負傷箇所も回復し、犬のトレーナーと共に任務に復帰している
●大統領は「IS指導者の追跡と殺害に素晴らしい仕事をした犬の写真を公開することにした」とツイートし、犬の写真を配信した
●関係者によれば、特殊作戦犬は夜間の2時間に及ぶ作戦の中で、複数のトンネルで構成されたアジトの内部で同容疑者を追跡し、最後には出口のない一つのトンネルに同容疑者を追い込んだ。その後同容疑者は「人間の盾」として共に行動していた3名の子供を巻き添えに、自爆ベストを起爆して死亡した
●28日にトランプ大統領が犬の写真を公開するツイートを行う2時間前に、Milley統合参謀本部議長は、軽い負傷を負った犬は既に回復し、引き続き作戦地域にとどまって任務を継続していると語っていた
●そして「我々は犬の写真も名前も何も公表しない」「犬に関する情報を秘匿する」と統合参謀本部議長は語っていた
●今回の作戦に使用されたBelgian Malinois種は、2011年の対ビンラディン作戦に使用され、仕掛け爆弾の探知やビンラディンの追跡に貢献した犬(名前Cairo)と同じ血筋である
●2011年当時の作戦では、犬は双方向無線などを装備した特殊ジャケットを装着していた
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犬が特殊ジャケットを装着している解説図は、2011年のビンラディン作戦当時に流布していた特殊作戦犬「Cairo」の装備の説明図です
恐らくこのような情報が出回った結果、過激派やテロリストたちが何等かの対策を行った形跡が見られたことから、今回Milley統合参謀本部議長は犬に関して一切の情報提供を行わない方針だったのでしょうが、自らの成果をアピールしたい、話題を提供したいトランプ大統領に「犬の写真公開」で押し切られたのでしょう
子供3名を「人間の盾」として引き連れ、自爆に巻き込んだのが真実だとすれば、やっぱり理解できない人ですねぇ・・・ISの人は・・
ビンラディン襲撃作戦を様々な側面から紹介した当時の記事
「ビンラディン作戦と犬の装備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2011-05-03
動物と軍事作戦
「イルカで機雷探知」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-08-02
「米露がイルカ兵器対決?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23