8月21日フーシ派の無人艇・飛び道具攻撃で炎上
乗員25名は救出も、9月3日にEU 連合が曳航断念
9月3日付 Mitary.com 記事は、紅海を原油 15万トン(100万バレル)を積んで航行中だったギリシャ船籍のタンカー「スニオン号 Sunion」が、8月21日にイランが支援するイエメンの反政府組織フーシ派による攻撃で火災を起こし、エンジンも停止して自力航行困難となっていたが、同タンカーの曳航を請け負った民間サルベージ企業も、フーシ派による更なる攻撃示唆で作業の安全確保が困難だと曳航作業断念した、とEU 連合が発表しました
EU 連合は米国や西側諸国と協力し、紅海を航行する西側船舶の安全確保作戦「Operation Aspides」を遂行しており、攻撃を受けた同タンカーから乗員 25名を何とか無事救出し、近傍のジブチに避難させたのも仏海軍の駆逐艦でしたが、タンカーの状況とフーシ派の攻撃により、作業継続は難しいと判断した模様です
タンカー「スニオン号」は大量の原油を積載しており、フーシ派による無人艇や追撃弾(projecties)攻撃により発生した火災も収まらず、既に積載原油流出が始まっているとの報道もあり、米国務省は、同タンカーからの流出は「1989年にアラスカで起きたエクソン・バルディーズ号惨事の4倍の規模」になる可能性があると警告しています
フーシ派は、2023年 10月にガザ地区で戦争が始まって以来、イスラエルによるハマスへの軍事行動を阻止するためとの名目で、ミサイルやドローンで 80隻以上の西側船舶を攻撃し、船1隻を拿捕し、2隻を沈没させ、船員4人を殺害していますが、攻撃を受けた船の多くは紛争とは全く関係がなく、イラン行きの商船も含まれているのが実態とのことです
EU 連合は「民間サルベージ企業による行作業」断念時、「民間企業により代替策が検討されている」とも発表していますが、容易でないことは想像でき、米国務省が懸念を表明している米国勢力も、イスラエルに対するイランの報復に備え急遽中東に展開している米空母ルーズベルトとリンカーンはオマーン湾所在で、紅海に米海軍艦艇は確認されておらず、本件に関するAP通信の取材に米中央軍はノーコメント対応とのことです
/////////////////////////////////////////////
フーシ派は、9月2日に別の西側船舶への攻撃を実施し、タンカー「スニオン号」の曳行作業を容認する姿勢を示唆しているとの見方もあるようですが、フーシ派は以前にもイエメン沖で、別の石油タンカーを攻撃して「環境へのリスク」だとして悪用したことがあり、懸念が高まっています
紅海は美しいサンゴ礁でダイバー憧れの地となっており、フーシ派による事実上の無差別攻撃と自然を人質にとるような行動は、神が許さないだろうと言じたいです
フーシ派関連の記事
「米海軍がフーシ派とWW2以来の激戦」→https://holylandtokyo.com/2024/07124/6044/
「イスラエルVS イランを防研が速攻解説」→https://hotylandtokyo.com/2024/04/25/5847/
「フーチ派対処で防御迅速改善」→https://holylandtokyo.com/2024/04/15/5741/