米空軍無人ウイングマン計画が第1次募集佳境に
更に第2次募集も予定しソフト&アイディア勝負か
2-3年後の量産体制入りを狙い様々なタイプを模索中
2月13日、Kendall空軍長官がAFA Warfare Symposiumでの記者懇談会で、現在進めている無人ウイングマン機CCA(collaborative combat aircraft)の第1次募集審査で比較検討中の5社の提案について、数か月後には2-3社(予算上の制約で2社になる可能性が高い)に絞り込むと明らかにし、
更に2025予算年度での有人機との連携飛行運用開始に向けた第2次募集も予定しており、第1次募集が機体のハードウェア議論が中心だったのに対し、機体ハード比較検討中心からCCA自立飛行を左右する極めて重要で難しい分野であるソフトウェアも含めた新たな提案募集も開始する予定で、そこには「最も緊密で最も戦略的な複数の同盟国:closest and most strategic international partners」も加わるだろうと語りました
同空軍長官はまた、CCA開発は5か年計画でまとめ上げる「緊急性:sense of urgency」を持ったプロジェクトで、遅れて参加を募る第2次募集企業と契約を結ぶ際には、作戦運用コンセプトと初期設計を含めた相当に煮詰まった契約となる予定だ、とも語っています
そして米空軍としてCCA量産に今後は焦点を向ける予定で、今後2-3年で更に関係企業を絞り込み、最終的にいくつの企業が本格生産に入るか未定だが、少なくとも2社体制は確保したいとの考えも示しました
第1次募集審査で比較検討中の5社には、Lockheed Martin, Boeing, Northrop Grumman, General AtomicsとAnduril社が含まれており、米空軍は約1000機を調達するアバウトな想定を提示し、複数の能力や生存性が異なるタイプのCCAデモ機を作成し、攻撃・偵察・電磁波妨害・デコイなど多様な任務遂行の可能性を試したい意向を持っており、
同Symposiumの別の場でHunter空軍調達担当次官補は、空軍戦闘コマンドACCのみならず、幅広い分野の産業界から多数の提案やアイディアなどのフィードバックを受けていると語っており、また第1次募集で5社に入れなかった複数の企業が、更にアイディアを具体的に煮詰め、ある意味でハードよりCCA運用には重要な自律的運用ソフトを「売り」にして応募準備をしていると活発な開発状況を示唆しています
そして同次官補は、第1次募集企業提案でも有用な自立化運用可能なデモ機が完成するだろうが、その先にはより高度に進化したCCA提案機が新たなソフトと共に登場することが予期されるとも語っています
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AFA Warfare Symposiumは、現役空軍幹部やOB、軍需産業関係者や専門家が一堂に関して「夢やビジョン」を語る場ですので、ステージ上の演出やスライド表示もそれにふさわしい華やかなものになっており、そこで語られる内容も「問題点や課題」よりも、それを乗り越えた先にある「夢」中心になります
CCAに関しては、対中国正面である西太平洋の、どこに展開して、誰がどのように維持整備し、誰がどのようにコントロールして運用するのか・・・との大問題が残っていますので、その辺りを念頭に置きつつ、生暖かく引き続き見守っていきたいと思います
CCA関連の記事
「CCAに空中受油能力搭載か」→https://holylandtokyo.com/2023/12/04/5255/
「あと6年で実用化する試験準備」→https://holylandtokyo.com/2023/11/08/5153/
「AIアルゴリズム集大成試験」→https://holylandtokyo.com/2023/08/08/4922/
「2020年代後半導入へ」→ https://holylandtokyo.com/2023/04/03/4473/
「長官:NGAD 200機、CCA 1000機」→https://holylandtokyo.com/2023/03/09/4403/
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