2024年10月以降の実戦的な連続大規模演習へ
新太平洋空軍司令官や同参謀長が語る
空自の宇宙作戦群司令:杉山1空佐もご登壇!
2月14日、コロラド州で開催のAFA Warfare Symposiumで新任の太平洋空軍司令官Kevin B. Schneider大将(元在日米軍司令官&第5空軍司令官)と同軍参謀長David Berkland大佐が、12日に同イベントでKendall空軍長官とAllvin空軍参謀総長が発表した米空軍改革アクション項目の目玉の一つ「戦闘・空輸・CSコマンドの実戦能力強化のため、(対中国の)冷戦期仕様の大規模演習実施」について早速発言し、その検討の方向性を語っていますのでご紹介します
12日にAllvin空軍参謀総長は「我々は2025予算年度から、複数の戦闘コマンドの支援を受けた初の大規模演習実施を計画しており、インド太平洋戦域での実施を想定している」と明らかにしましたが、これを受けてSchneider新太平洋空軍司令官は、「米空軍省がその重要性を認識し、資源配分を含めて実現にコミットしてくれていることに力を得ている」、「この規模の演習実施には空軍省や米空軍全体のテコ入れが欠かせないからだ」と語り、
「米軍が直面する危機や緊急事態を考える時、インド太平洋軍や太平洋空軍への期待は巨大であり、他軍種や統合部隊からの要求も、人・物・能力全ての面で驚くほど大きい中、このような必ずしも安価に収まらない大演習を計画出来ることは抑止面でも大変重要だ」と責任の重さと新思考の大演習への期待をにじませています
また、同シンポジウムの太平洋地域の同盟国との連携強化を語る別イベントで、太平洋空軍参謀長David Berkland大佐は航空自衛隊の宇宙防衛群司令杉山キミトシ1空佐と共に登壇し、計画中の大規模空軍演習について以下のように語っています
●我々は、より実戦的でより複雑で、高い緊迫度を想定した演習の計画を開始しており、単一のイベント演習ではなく、年間を通じて数えきれないほどの訓練機会を設ける方向だ
●ハイエンド紛争を大前提に、従来より大規模で、より苛烈で、より効果的なものを想定しており、我々が高いレベルの即応態勢を確立&維持するにふさわしいものとなろう
●この大規模演習では、近年急激に強化されつつある複数の国との協力関係を、他国空軍部隊とのより長期間でより密度高い訓練を通じて深化することも大きな目的となる
ちなみに同参謀長と登壇した空自の宇宙作戦群司令・杉山1空佐(パイロットではない点に胸熱!)は
●「米空軍によるこの種の取り組みは、航空自衛隊にとっても極めて重要であり、我々を正しい方向に導いてくれるものだ」と語ったと報じられています
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2月12日に打ち出された米空軍改革の24アクション項目には、兵器開発要求や資源配分など米空軍の将来に関する計画を、戦闘コマンドや輸送コマンド等から事実上取り上げ、新設の中将率いる「Integrated Capabilities Command」に権限を集中させる点などにおいて、「官僚組織抵抗」や「(目に見えない)組織内の流血事案」も予期されますが、
戦闘コマンドや輸送コマンドやGlobal Strike Commandの演習を強化して実戦的&大規模化し、部隊評価点検を強化する点において部隊は正面から取り組む以外に選択肢はなく、兵器開発や資源配分問題への口出し権利はく奪について文句を言う暇もない前向きな忙しさを与える副次的効果も期待されます
ところで、航空自衛隊幹部の本ブログ登場は、2023年7月26日付記事で空幕防衛部長の坂梨弘明空将補(パイロットでない防衛部長!)をご紹介して以来ですが、今日また偶然にも「パイロットでない」宇宙防衛群司令杉山キミトシ1空佐をご紹介することができてうれしいです。戦闘機の編隊飛行写真を公式webサイトやSNS上で拡散して広報活動して喜んでいる時代ではないですからねぇ・・・。高校生の募集活動は別として、実質的な戦力強化の面では・・・
米空軍の大改革アクション項目発表
「2月12日のKendall長官らによる発表」→https://holylandtokyo.com/2023/02/16/5579/
「米空軍総レビュー実施発表」→https://holylandtokyo.com/2023/09/07/5012/
空幕防衛部長の坂梨弘明空将補のご活躍
「日米宇宙部隊の本格協議SETスタート」→https://holylandtokyo.com/2023/07/26/4884/