MLB2023年ドラフトで1番指名最有力候補
163㎞の速球で大学野球最高の投手と
2年生まで米空軍士官学校で過ごした逸材
7月9日に行われる米大リーグ野球の新人ドラフト「Major League Baseball draft」で、米空軍士官学校で2年生まで過ごし、その後ルイジアナ州立大学に転向してその日を迎えるPaul Skenes投手(21歳)が大きな話題となっています
Skenes投手は、102マイル(約163㎞)の速球を投げる全米大学野球史上でも最高の投手の一人と評価されており、また大谷翔平選手にあこがれて「二刀流」を目指している選手として、2022年11月放送のNHKスペシャル「メジャーリーガー大谷翔平 2022 アメリカの新たな伝説へ」で、大谷選手に強く影響を受けて後を追う有望若手選手として紹介されたほどの実力の持ち主です
6月26日に野球の全米大学選手権でフロリダ大学を破って優勝したルイジアナ州立大学(LSU)のエース投手として、Skenes投手への評価はさらに上昇しており、6月29日現在でMLB公式サイトが運営している「ドラフト有力候補選手ランキング」では、投手と野手総合ランキングで第2位につけており、ドラフト指名1巡目での指名が確実視されているようです
同投手の公式紹介映像(約8分半)をMLBが公開していますので、以下で是非ご覧ください。いくつかの逸話をご紹介すると・・・
・ロス出身の同投手は、高校時代はキャッチャーと三塁手をやっており、投手としてもクローザーをやっていたとのこと。高校のチームにキャッチャーがいなかったのが原因とか
・軍経験のある3名の叔父(2名が海軍、1名が沿岸警備隊)の影響で、空軍士官学校に入学(簡単には入れませんよ! 学業とリーダーシップの両面で優秀でないと)
・空軍士官学校1年生で、1年生で唯一全米代表メンバーに選出。空軍士官学校から全米代表になったのは約30年ぶりとか。1年時の成績は打率4割強で、ホームラン王にも輝き、投手としても既に160㎞の速球で最多セーブ賞を獲得
・2年生でも打率3割強、防御率2.7台で、再び全米代表メンバーに選出され、この年から設定された全米大学「最優秀二刀流選手」に選出された。また53年ぶりに空軍士官学校を全米選手権へ導いた
・空軍士官学校では学業も優秀で、MLB紹介YouTube映像でも、20歳の若者のインタビューとは思えない落ち着いた受け答えが確認できる
・空軍士官学校では、3年まで在籍すると卒業後5年間の軍務が義務となることから、悩んだ結果ルイジアナ州立大学へ転籍することを決断。ただその後も空軍士官学校や米軍とのつながりを忘れず、LSUで士官学校時代に事故で亡くなった同級生の背番号「20」を選択し、軍人遺族支援団体への協力を引き続き行っていることでも知られている
・LSU3年生のシーズンでは、防御率1点台、奪三振率が1試合当たり17を超え、前述のMLB紹介映像では「The best pitcher in college baseball」と紹介されている
6月27日付Military.comは、同選手の空軍士官学校時代のチームメートやコーチが、「優れた人物で、普通はあり得ないが、2年生時にキャプテンを務めた」、「留学生には特に優しく親身になって接していた」、「(投手コーチの言葉)彼からの質問で私はコーチとして成長できた」、「彼の転校決断に皆が賛成した」等々と語っている様子を紹介しており、士官候補生としても優れた資質を発揮していたことが伺えます
映像を見ると、背中を丸めるように投げるフォームが、不滅の5000奪三振と7度のノーヒットノーラン達成のカリフォルニア超特急「ノーラン・ライアン」に似ているような気もしますが、7月9日のMLB新人ドラフトにぜひ注目したいと思います
「Paul Skenes baseball」で検索すると、たくさん映像も見られるので、Paul Skenes投手の速球とスライダーをぜひご確認ください
米空軍士官学校関連
「卒業生86名が宇宙軍へ」→https://holylandtokyo.com/2020/04/25/735/
「士官学校でのセクハラ問題議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-10
「出て行ってくれ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-09-30-2
「校内内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04