テニアン島へのF-22初展開に続き
フィリピン4空港への米軍アクセスも合意
3月13日、1951年から米国と軍事同盟を結んでいるフィリピンに初めて第5世代機である米空軍F-22戦闘機が展開し、同14日にかけて展開先のクラーク空軍基地からフィリピン空軍FA-50(韓国製でF-16ベースの攻撃機)と南シナ海上空で訓練を実施しました。
2月にはオースチン国防長官がフィリピンを訪問し、フィリピン軍クラーク空軍基地以外のフィリピン国内4か所の飛行場への米軍アクセスに合意しており、これら4飛行場の利用には今後施設整備等が必要になるとのことですが、対中国最前線であるフィリピンと米国との関係が、2022年6月のMarcos Jr大統領就任後に改善されつつあるようでうれしい限りです
フィリピンのクラーク基地に展開したF-22の機数を米空軍リリースや報道は言及していませんが、米空軍が多数公開した写真からすると2機で、フィリピン展開直前までグアム島近傍のテニアン島に初展開していたアラスカ州エレメンドルフ基地所属の第525戦闘飛行隊のF-22だそうです
稼働率の低下から、2030年頃からの退役が予期されているF-22ですが、ここに来て様々な場所に「第5世代機として初展開」し、米国と相手国との対中国団結のシンボルとして活躍しています
フィリピン展開中には、フィリピン空軍が保有する最新型機である韓国製FA-50(F-16をベースにロッキードの技術支援も得て製造&輸出している練習機T-50の攻撃機タイプ)と南シナ海上空で共同訓練を実施し、F-22が空中戦をデモしたり、F-22による航空優勢確保の中での対地対艦攻撃訓練をFA-50が行ったようです
また、嘉手納基地所属のKC-135空中給油機が南シナ海に飛来し、展開中のF-22に空中給油を行って、南シナ海で「有事」発生の際は、直ちに駆けつける体制にあることをアピールしたようです。
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中国に押されっぱなしだった昨年までとは少し雰囲気に変化が見え始め、米海兵隊の海兵沿岸旅団MLRが2025年までに沖縄に編制され、日本が400発程度のトマホーク巡航ミサイル購入を決断し、豪州に2030年以降に攻撃原潜が提供されることが発表され、気球対処などなど米国による対中国攻勢が強化されつつあります。
ドゥテルテ大統領時代には、枝葉末節なフィリピンの「人権問題」に米国政権がこだわって米比関係がギクシャクしましたが、この面でも米国が柔軟性を示し始めたのか、フィリピン側が対中姿勢を変化させたのか把握していませんが、変化の兆しを感じます
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