シンガポールが追加で8機F-35B型購入へ

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2020年同機4機を発注時の追加オプションを行使へ
60機保有のF-16C/D後継機として

F-35 Singapore4.jpg2月27日付Defense-Newsは、シンガポールのNg Eng Hen国防相が同国議会の予算審議で、2020年の4機発注で可能になったF-35シミュレータ使用や電子戦能力確認、更には既に運用を開始している他国への調査等を経て、4機購入時の契約に含まれていた追加購入8機のオプションを行使する決定をした説明したと報じています

同国空軍は、現在60機の能力向上改修を終えたF-16C/D型を3個飛行隊編成で保有していますが、2030年頃から機体寿命によるF-16の退役が始まるようで、その後継機として狭い国土環境等も考慮し、フル装備搭載でも200m程度の離陸滑走で発進でき、垂直着陸が可能なF-35B型を後継機に選定しています

F-35 Singapore8.jpgただし、通常離着陸型のF-35A型の調査も引き続き続けているようで、少佐(!)をリーダーとする5名で特別チームを編成し、2022年夏に豪州主催で実施されたF-35A型(豪州空軍)とB型(米海兵隊:岩国基地所属)の両方が参加したPitch Black演習(8/19~9/9)等の機会を利用して、したたかに柔軟に情報収集する様子を過去記事でご紹介したこともありました。(A型も導入する可能性が現在もあるのかは不明)

シンガポールはマレー半島の先端のマラッカ海峡を望む要衝に位置していますが、国土面積は60余りの島々を合わせても東京23区程度の大きさで、現在狭い国土に5つの飛行場を保有しているものの、都市化の波で内1個を閉鎖する方針が既に決まっているようで、F-35B型のような機体が有事の飛行場被害を想定すれば適しているのでしょう

F-35 Singapore5.jpgなお同国は、F-16C/D型機のパイロットや整備員養成部隊を、米軍との合意に基づきアリゾナ州Luke米空軍基地内に設置していますが、今後この米国駐留部隊をアーカンサス州のEbbing州空軍基地に移設し、2026年からのF-35B型機受け入れに備えると予定だそうです

【ご参考】F-35導入を決定した国(カッコ内は購入予定機数)

●共同開発国(8か国)
豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(空軍1763、海兵隊420、海軍260)、そしてカナダ(88機)
トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM購入で排除された
●FMS購入国(9か国)
Belgium(34機), Israel(19), 日本(42+100) , 韓国(40)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機) ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機)、ドイツ(最大35機)、そして検討中なのがチェコ(24機)

シンガポールとF-35関連記事
「F-35B導入承認済もA型にも興味」→https://holylandtokyo.com/2022/09/15/3638/
「米がF-35B売却許可」→https://holylandtokyo.com/2020/01/15/866/

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