中国は1979年から「一人っ子政策」
2015年に慌てて「2人まで認める」に政策転換、しかし・・・
19日付読売新聞電子版(20日付朝刊にも)は、若い世代の流出などで少子化が深刻で、働き手不足が深刻になりつつある東北3省(遼寧、吉林、黒竜江)に対し、中国政府が産児制限の撤廃を検討する方針を示したと報じています。
正確には、18日に「国家衛生健康委員会」が産児制限撤廃の方針を明らかにし、産児制限の撤廃が与える経済的影響などを分析するよう東北地方の政府に指示すると伝えられています。
今回は「東北3省」を対象とした指示となる模様ですが、少子化が全国的に深刻になっている中国では、これをケーススタディーとして、全国に産児制限撤廃の動きが広がる可能性があると読売新聞は報道しており、注目を集めています
中国は急激な人口増加に危機感を感じ、1979年から「一人っ子政策」を全土で推し進めましたが、急速な経済発展に合わせ少子化が進んだことから、2015年に全国で「2人まで認める」決定をしました。しかし少子化傾向に歯止めはかからず、むしろ加速しているようです
記事は、2020年の新生児数は「前年比15%減」の1003万人で、政府系調査研究機関の中国社会科学院は2019年に、中国の人口は2029年の14億4200万人をピークに減少に転じるとの予測を紹介し、少子化の背景には、不動産や教育費の高騰、子育て環境整備の遅れなど、政治から経済にまたがる構造的な要因があると解説しています
もちろん日本の少子化も深刻で、他国の心配などしていられる場合でないのですが、以下、記事に寄せられたコメントから、中国を一つのケースとして、人間の本質を見つめたいと思います
中島恵(フリージャーナリスト)
●記事にあるように、不動産(新居購入)や教育費に、あまりにもお金がかかりすぎるという問題が大きいが、他にライフスタイルの変化、結婚率の低下など、政府がコントロールしにくい構造的な問題がある
●皮肉なことに、それが顕著になってきたのは、一人っ子政策が撤廃された2015年頃からです。産児制限を撤廃して済むという問題ではありません。たとえ補助金などを出しても、子どもは増えていかないだろうと思う
中国の駐在員
●中国ではとにかく子供に金がかかる。都市部だけかもしれないが、子供が結婚したら男の親はマンションを、女の親は車を買い与えないといけないとか
●物価も、物によっては日本と同じかそれ以上の体感だけど、給料は日本より安い。そりゃあ子供を何人も育てられないよね
投稿者
●中国の結婚難民の男性(一人っ子政策で男子人口が女性より多い)が女性を狡猾(こうかつ)なものに変えてしまった。
●幸せの形がお金無しでは話にならない、貧富の格差は夫婦の人生まで変えてしまう。子供をたくさん産んで幸せだった時代は、例え中国であっても過去のものになっています。
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「東北3省」の経済的沈滞は深刻で、世帯の半数が貧困層・破産状態・・・との見方もあるようで、社会経済的に大きな問題を抱えているようですが、この地域が「アリの一穴」となって、中国全土で産児制限撤廃へ・・との見方は広くあるようです
この記事のコメント欄には他に、「日本は北欧のどこかのように、3人目から月に10万とか手当を出せばいい」とのありがちなコメントもありますが、現在社会は人間から、生き物としての基本機能である「子孫を増やす」との機能を失わせるインパクトを持っているようです
日本では、平成に入ったころからそんな時代に入ったのかもしれません・・・
記事カテゴリー「ふと考えること」
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