大統領として初のペンタゴン訪問で発表
取りまとめは元大統領副補佐官で現長官の中国担当補佐官
10日、バイデン大統領がハリス副大統領を伴って就任後初めてペンタゴンを訪問し、今後4か月以内に対中国軍事戦略のレビューを行うと発表しました
同レビューのとりまとめはEly Ratner中国担当国防長官補佐官(元バイデン大統領の安全保障担当副補佐官)が行い、国防長官室や統合参謀本部、地域コマンドや情報機関から、文民と軍人を合わせ15名程度で構成される「China Task Force」が検討を担当するとのことです
国防省発表の同レビュー「Fact Sheet」によれば、レビューでは、軍事戦略、作戦運用コンセプト、装備近代化や投資対象技術の優先順位、戦力配備や基地配備の在り方、情報態勢、同盟国との関係などに焦点を当て、広範な検討が試みられる模様です
ただ、このレビュー結果は「No final public report is anticipated」ということで、公にはならないようで、米議会にはしかるべく報告されるようですが、今後の関連政策や予算配分から、なんとなく雰囲気を想像するしかなさそうです。
関連報道によれば
●バイデン大統領は国防省ブリーフィング室で本レビューに関し、「今後数か月で、国防省のChina Task Forceが、中国関連問題についての対応方針を明確にするため、新たな優先順位と決定すべき点(decision points)の検討を行う」、
●また「対中国戦略は、政府を挙げての取り組みとなり、米議会超党派の支持や同盟国等からの協力が必要となる。これが、中国の挑戦に対して如何に米国が立ち向かうかの基本だ」と語った
●国防省発表の「Fact Sheet」は、「China Task Force」が議論対象となる重要事項検討に「疾走:Sprint」すると表現し、短期間での集中的な取り組みであることを強調している
また本発表前に軍事力に関する大統領の所信を述べ
●私は、必要時に軍事力の使用を躊躇することは決してないが、軍事力の使用はあくまで最終手段(tool of last resort)である
●求められれば戦って勝利を収める態勢を保持しつつ、敵の侵略を抑止することが任務の中心である
●我が国は、「力の例示」ではなく、「例示の力」によって、より安全に強くなる。米国は今世紀の課題に対峙するにあたり、安全保障について優先順位を再考する必要がある
●中国は特に「growing threat」であり、新技術を生かし、サイバー能力を高め、宇宙での競争にも立ち向かう
●(かつて、現役時代のオースチン国防長官の下でイラクに大尉で従軍した息子(米国内で事故で死亡)を例に出し、)バイデン一家は軍人家族である。志願して国のために勤務する皆さんに、大きな責任を負っていることを感じている。我が政権は決して、皆さんの名誉を傷つけたり、皆さんに政治的な行動を求めたりしない
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大統領選挙期間中に、中国寄りだ、中国に弱みを握られている・・・等々のうわさが飛び交ったバイデン大統領ですので、それを打ち消すため、中国に対する厳しい姿勢を各所で表現しています
話は飛んで恐縮ですが、でも最終的には、日本はどうするのか? 覚悟はあるのか?・・・に行きつきますので、きちんと正面から情勢を見つめることが必要なのでしょう
アーミテージ氏が最近投げかけた、「日本は、中国に対してタフになる心構えは出来ているのか?」との問いに、答えることができるのか・・・です
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