欧州で9番目の購入国に
64機を2026年から導入開始予定
12月10日、フィンランド国防省がF-18戦闘機の後継機種選定に関し、F-35、F-18 Super Hornet、Dassault’s Rafale、Eurofighter Typhoon とSaab’s Gripenを比較した結果、F-35に決定したと発表しました
フィンランド空軍は、64機のF-35を約6000億円で購入し、併せて空対空ミサイル(AMRAAM and Sidewinder)を約960億円で購入する予算を組んでいるとのことです。また、2030年までの維持整備パッケージとして、約3700億円を計上するそうです
フィンランドは選定理由として、F-35の軍事的能力の他、部品を含めた供給の安定性、製造過程へのフィンランド軍需産業への参画度、費用対価格の優位性の他、多くの購入国が形成するコミュニティーの存在を上げています
この結果、F-35購入国は15か国となり、欧州だけで9か国となりました。
今後、購入決定の可能性があるのは、共同開発国でありながら購入決断を先送りして計画の落ち着きを待っている策士カナダと、トーネード後継と戦術核運用が新連立政権の課題となっているドイツといわれています
F-35導入を決定した国(カッコ内は購入予定機数)
●共同開発国(7か国とその他2国)
豪州(100機), Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、米国(2443)(空軍1763、海兵隊420、海軍260)
カナダは共同開発国ながら選定を延々と実施中で、今年結果発表予定
トルコも共同開発国ながら、ロシア製SAM購入で排除された
●FMS購入国(8か国)
Belgium(34機), Israel(19), 日本(42+100) , 韓国(40)、シンガポール(当面12機 最終的に約50機) ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機)
●欧州だけピックアップすると・・・
Denmark(27), Italy(90), Netherlands(37), Norway(52), 英国(138)、Belgium(34機)、ポーランド(32機 2020年1月)、スイス(32)、そして、フィンランド(64機 2026年から導入)
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兵站情報システムODIN開発がとん挫したままのF-35は、維持整備費が高止まり状態にあり、米議会や英国等から不満の声が上がっていますが、今後も低下する見通しはありません。
また、米空軍が1763機の調達予定機数を削減することは「ほぼ暗黙の了解」(2025年の維持費状態を見て決断予定)状態にあり、機体や部品価格の高騰は避けがたく、「亡国のF-35」の道まっしぐらです
最近のF-35
「安価版シム装置発表」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-03
「欧州最初の米飛行隊編成」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-04
「新型戦術核B61-12投下試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-06
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「酸素生成装置問題を解決せよ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-08-03
「海兵隊C型が完全運用態勢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-08
「スイスが14番目の購入国に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-01
「英国防相がF-35企業に不満をぶちまける」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-24-1
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
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「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
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「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03
これどうなった?ALISの後継システムODIN
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「ODIN提供開始」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-24
「元凶:ALISとその後継ODINの現在位置」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-17
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「ALIS問題を議会で証言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-15
「ALISは依然大きな障害」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-02
F-35維持費削減は極めて困難
「国防省F-35計画室長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-03
「米空軍参謀総長が語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-03-02
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
エンジンブレードの耐熱性不足
「エンジン問題で15%飛行不能」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-15
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「Lord次官が最後の会見でF-35問題を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21