中国はJ-6改良無人機の存在を認めていないようですが
かねてから噂の台湾から約400㎞の基地らしい
J-6改良無人機は台湾正面の2基地で以前から
10月20日付Defense-Newsは、中国軍東部軍管区アカウントの中国版ツイッター「Weibo」が、初めてJ-6戦闘機改良型の無人機とその部隊の写真を公開したと紹介しています。ただし中国軍は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていないようです
中国空軍のJ-6戦闘機は、1950年代にソ連で開発製造されたMig-19の中国版で、初期型はレーダー装備もない初期のジェット戦闘機ですが、中国空軍では2021年になってやっと公式に退役が発表された機体です
しかしその後の2013年頃から、J-6の無人機改良型が台湾正面の2つの基地(共に台湾から270マイル・約400㎞の距離の福建省Liancheng基地、広東省Xingning基地)で確認されるようになりました。
福建省のLiancheng基地では、9月15日に撮影された西側商用画像で約50機のJ-6改良無人機が整然と並ぶ様子が確認されており、広東省Xingning基地でも2020年4月の衛星写真で約30機の同型機が確認されているようです
J-6改良型無人機が新たな脅威だとは考えにくく、恐らく敵防空組織を飽和させたり、初期的な無人機として特攻攻撃のように使用される程度だと考えられますが、朝鮮戦争時代の「化石」戦闘機が今なお現役で部隊編成されていることが今になって公式に表明された点が「?」で興味深く、話題となっていますので、とりあえずご紹介しておきます
10月20日付Defense-News記事によれば
●Weibo上で東部軍管区が公開した写真は、当該部隊が2021年後半の訓練最栗を開始する式典の様子で、2機のJ-6改良無人機がセレモニー用に配置されている
●ただし公開された写真は、基地名や部隊名や機体番号が明らかにならないよう関連表示部分が「ぼかし処理」されている。一方で、中国軍の情報公開の習わしとして、この処理がなされているということは、部隊や機体が実戦配備状態にあることを示す証拠でもある
●式典写真がどの基地で撮影されたかは不明で、式典で使用されている横断幕の表示も「ぼかし処理」されている。
●映っている2機のJ-6型無人機は塗装なしの状態だが、翼下には搭載物を装着可能なハードポイントが3か所準備されていることがわかる
●また、2013年以降に衛星写真等で確認された画像では、2つの基地の異なった複数の場所でJ-6が確認されており、実際に使用している証拠と考えられていた
●ただし中国は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていない
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Weiboの東部軍管区アカウントをまんぐーす自身が確認できておらず、公開された写真にどのような説明が付記されていたか不明ですが、Defense-NewsのMike Yeo記者は、以前から噂のJ-6無人機部隊のものだと疑いなく記事にしています。
日本時間21日には、Defense-Newsの記事別アクセストップにYeo記者の本記事がランキングされており、様々な過去からの情報を基礎に、本記事が読者に受け入れられているものと思います。
アリがちなのは、多量に退役したJ-6戦闘機を、さほど役立ちそうもないのに、当時の中国軍幹部の「鶴の一声」で無人機に改修する羽目になり、維持せざるを得ない状況で、士気高揚のためSNSで取り上げてみた・・・とのストーリーです。完全なまんぐーすの邪推ですが・・・
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