情報漏洩につながる中国製排除狙い
噂のDa Jiang Innovations (DJI)などが対象か
10日、Kathleen Hicks国防副長官が、市場で販売されている市販ドローンを米軍や国防省関係機関が購入する際の「Guidance」を定めたと発表し、これにより米国安全保障の脅威となるドローン購入を防止し、同時に日進月歩で技術革新が進む無害で有用な市販ドローン活用を促進することができると説明しました
「Guidance」が具体的に何を示しているのかは公表されていませんが、米軍や国防省機関が市販のドローンを購入する際は、国防省CIO(chief information officer)と調達担当国防次官の承認を得ることが定められているようです
このガイダンス制定の背景には、2019年に国土安全保障省が、中国企業Da Jiang Innovations (DJI)製造の小型drawを使用すると、関連運用データが中国側に送信される恐れがあると警告し、内務省がDJI製ドローン中止を決定した経緯があるようです
米国防省報道官は、過去にドローン関連で情報漏洩が発生したかどうかについて言及を避けたようですが、新ガイダンスにより外国製ドローン購入が厳格に規定されると語っています
13日付米空軍協会web記事によれば
●10日の国防省発表は、国防省組織がどの企業製のドローンを購入可能かについて管理することで、市販の全てのサイズのドローン購入を容易にするとともに、市販ドローン使用により中国のような国への情報漏洩につながらないようにするものだと新ガイダンスを説明している
●新ガイダンスは同時に、国防省によって規制されない安全な市販ドローン購入をより自由かつ容易にするため、国防省機関による購入手続きを明確にするものだと国防省は説明している
●国防副長官は、2020年度国防授権法が定めた中国製ドローンへの規制を求めた指示に沿って新ガイダンスを定めた
●今年7月23日に国防省は、中国DJI製のドローンが国家安全保障上の脅威になると明らかにし、「DJI製を含む小型ドローンの脅威を除去することは、国防省機関すべてにとっての最優先事項だ」との声明を出していたところである
●13日、Jessica Maxwell国防省報道官は、「国防省は機微な情報を守るため必要なアクションを執った。このガイドラインは国防省の市販ドローン購入をより明確に規定するものとなる」、「同時に民間企業の技術革新成果を有効に活用するための規定でもある」とコメントしている
●なおトランプ前大統領は最後の大統領令の一つで、中国製電子部品やソフトがもたらすリスクを背景として米国製ドローン購入促進を指示しており、今回発表のガイダンスはこの大統領令に沿ったものだとも報道官は説明した
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日本の経産省や国交省、もちろん防衛省にも注意していただきたいと思います
情報共有と漏洩防止のはざまで
「軍需産業との情報共有に乗り出す」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-05-1
「半導体での米国巻き返しを討論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-08-25
「中国製部品排除に時間的猶予を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15
「上院による偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10
危機に乗じた中国資本の米軍需産業への浸潤を警戒
「再びLord次官が警戒感」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-02
「米国防次官:中国資本の浸透警戒」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-26