福建省5基地と広東省1基地にJ-6改良無人機J-6W計200機配備
2月米空軍協会ミッチェル研究所の部隊配備マップにJ-6W掲載
3月27日ロイターが上記を紹介して話題に
3月17日に防衛研究所NIDSコメンタリーも言及
そう言えば、米空軍が空対空ミサイル大量搭載アセット開発を検討中
また日本も、米要望で空対空ミサイルAMRAAM増産へ
ミッチェル研究所は2月に、1950年代に初飛行し、1990年代まで中国軍の主力だったJ-6(旧ソ連Mig-19の改良版)を中国が無人機化した「J-6W」が、台湾正面の福建省5基地と広東省1基地(台北から200~600㎞に位置)に配備されていると発表し、同研究所のMichael Dahm研究員は台湾海峡周辺に配備されたJ-6Wは200機以上に達する(J-6W製造総数は500機以上と推定)と、商用衛星画像や公開情報を基に分析し、ロイターに分析結果を説明しています。
同研究員は、J-6Wは無人戦闘機としてではなく、中国による台湾侵攻の初動フェーズで、台湾(や米軍支援戦力の)防空網の対処能力を圧倒するように、巡航ミサイルの様に大量投入される可能性が高いことや、J-6Wの配備基地は台湾や同盟国の反撃に脆弱だと指摘しつつ、「中国軍の作戦開始から数時間以内に一斉発射する構想だろう」、とロイター記事で説明しています
台湾の安保当局者もロイターに対し、台湾の公的研究所(the Institute for National Defense and Security Research)による2022年の分析報告書を基に、J-6Wドローンの主目的について「攻撃の第一波で台湾の防空システムを消耗させることだ」と説明し、低性能な無人機だが、高価
なミサイルで迎撃せざるを得ない点が課題だと語っており、台湾国防部は今週、対無人機能力の強化に向け新型システムの迅速導入計画を表明したようです。
ロイターは豪州Griffith大学のPeter Layton客員研究員の見解も紹介し、中国が戦闘機や異なる軌道のミサイル、高速・低速ドローンを組み合わせた「大規模な攻撃の波」を形成する可能性を指摘し、「多様な脅威の同時襲来という、防御側にとっての悪夢」を狙っているとのコメントを紹介しています。
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「まんぐーす」が調べた範囲では、現時点でJ-6戦闘機以外の旧式戦闘機(J-7戦闘機(MiG-21の模倣)やJ-8戦闘機(J-7改良機)などの多量の退役戦闘機)の「無人機化」は確認されていないようですが、推定500機もJ-6Wが改良製造され、台湾正面に200機以上配備と推定されれば十分に
「初動の脅威」です。なおJ-6Wは2020年頃から台湾正面基地で確認され、2021年には中国軍がSNS上で部隊の存在を公表しています。
年初にご紹介したStimson研究所によるレポートでも、J-6Wを「空対空ミサイルを斜耗させる目的」と表現し、空対空ミサイルAMRAAM備蓄が「開戦1週間でなくなる」との見積もりが提示されています。
また、イラン製ドローンShahed迎撃用のウクライナ製迎撃ドローンでは「J-6W」対処が不可能となれば、過去記事でも取り上げた、米空軍が検討している「CCA第1弾で開発中の空対空任務用機体」や「B-21次期爆撃機を基礎にした空対空ミサイル大量搭載の母機検討」や「より安価な空対空ミサイル検討」、更には米国との合意事項「日本でのAMRAAM量産」も繋がっている様に思えます。
まぁ・・・3月14日に米国情報機関の元締めDNIが「中国は2027年までの台湾侵攻は計画していない。非武力での支配実現を追求」との報告書を発表していますが、日本の防衛態勢を抜本的に再検討するにあたって重要な脅威ですのでご紹介しました。
2026 ANNUAL THREAT ASSESSMENT(現物:34ページ) →https://www.dni.gov/files/ODNI/documents/assessments/ATA-2026-Unclassified-Report.pdf
ところで、3月17日付の防衛研究所NIDSコメンタリーで、相田守輝研究員が「衛星画像解析にみる中国の航空戦力運用構想」との論考を掲載し、「J-6が台湾正面の中国軍基地に最新鋭機と共に配備されている」として、Google Map掲載の商用衛星画像を基にした、上記ロイター記事と同方向の分析を提示されていますが、2月のミッチェル研究所発表には言及がありません。偶然の一致かもしれませんが・・・
3月17日付の相田守輝研究員による防研NIDSコメンタリー
(衛星画像解析にみる中国の航空戦力運用構想 ―― 海峡沿岸に出現した旧式戦闘機)
→https://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/commentary425.html
2026年3月27日付日本版News-Week日本語電子版(ロイター電をキャリー)
「中国軍が台湾正面に旧式戦闘機改造ドローンを大量配備」
→ https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2026/03/592043.php
ロイターの報道(報道言及のミッチェル研究所レポートは発見できず。Map表示で発表か?)
→ https://www.reuters.com/world/china/china-stations-jets-turned-drones-bases-near-taiwan-strait-report-says-2026-03-27/
米空軍協会ミッチェル研究所の部隊配備マップ(J-6W掲載)
→https://www.mitchellaerospacepower.org/china/china-airpower-map/
2020年頃から中国がJ-6改良無人機部隊を台湾正面に
「福建省や広東省の基地で」→https://holylandtokyo.com/2021/10/25/2363/
空対空ミサイル大量搭載用の爆撃機改造型や無人機検討
「B-21基礎に空対空ミサイル大量搭載機」→https://holylandtokyo.com/2025/10/01/12909/
「安価な空対空ミサイル開発」→https://holylandtokyo.com/2025/11/27/13226/
「無人僚機CCA第1弾も空戦用」→https://holylandtokyo.com/2025/05/09/11488/
日本での空対空ミサイルAMRAAM量産
「小泉防衛相の訪米」→https://holylandtokyo.com/2026/01/20/13734/
「レイセオン担当幹部が言及」→https://holylandtokyo.com/2024/10/23/6337/
日本の航空基地の脆弱性を知れ!
「日本やグアムの滑走路には期待できず」→https://holylandtokyo.com/2025/01/06/10547/
「ウの露ドローン奇襲で米空軍応援団狼狽」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/
「幹部の発言:嘉手納には期待なし」→https://holylandtokyo.com/2024/05/22/5868/
「嘉手納F-15撤退を軍事合理性で」→https://holylandtokyo.com/2022/11/09/3904/
最近の中国軍関連の記事
「台湾周辺活動機数の凸凹理由は?」→https://holylandtokyo.com/2026/03/27/14271/
「中国軍2トップ粛清と現状」→https://holylandtokyo.com/2026/02/26/13983/
「レーダー照射事案」→https://holylandtokyo.com/2026/01/06/13587/
「空母福建EMALS と操縦者育成課題」→https://holylandtokyo.com/2025/10/23/12952/
「イラン核施設攻撃に中国はなぜ抑制的」→https://holylandtokyo.com/2025/07/30/12246/


3月27日付ロイター電子版が、2月に米空軍協会ミッチェル研究所が公表した中国空軍による旧式有人戦闘機J-6の「無人機改良版J-6W」の台湾正面6基地への配備を報じ、台湾(や展開米軍)防空網の「飽和」を狙った大量配備だと話題になっています。
