中間選挙年の人気取り発言と真剣に考える専門家はほぼ皆無も・・・
また、実現しても継続性が期待できない予算増を警戒する専門家
米空軍と宇宙軍の視点から国防費の特性を学ぶ機会に
「トランプ関税」による増収分を投入することで「夢の軍隊:Dream Militaryを実現」と大統領が説明しているものの、年度の国防予算を5割増するという、突然かつ途方もない規模の「トランプ要請」ですので、米国社会で発言を歓迎しているのは軍需産業に近い一部共和党員の「この増額があれば、米国としてあるべき国防費のGDP5%規模への引き上げが達成できる」発言くらいで、
代表的な投資顧問会社や政治専門家が言葉を選びつつも、実質的には大統領発言を「中間選挙に向けのはったり発言」とか、「既に関税増収は、連邦債務の削減や中流階級への還付金支給への投入を約束しているはず」とか、「2月から3月に公表予定の2027年度予算が公表されるまでの夢物語」とか、「そんなに予算を突然積まれても、軍需産業側が受注増に対応できないだろう」等々と冷ややかに言及する様子にも記事は触れつつ、軍事専門家の「米空軍と宇宙軍での使い道」案を取り上げています
【米空軍での増額予算の使い道】
●専門家の共通認識
→空軍は国防省予算の2割をこれまで継続的に配分受け(比率変更には言及無し)
→大規模な突然の投資増額では、人員、訓練、そして産業基盤の支援とのバランス確保が困難。特に予算増が継続的でなく、一時的なら更に問題が多い
●ミッチェル研究所Deptula所長やMark Gunzinger研究員
→差し迫ったニーズ、つまり、F-47やCCAなど開発資金は次善の策で、まず既存の生産ラインを重視し、老朽航空機群を新規航空機購入で立て直すべき。また即応態勢向上のため飛行訓練時間増と維持整備費増に充当すべき
→(両氏は今次トランプ政権誕生時には更に、次期ICBM計画、次期給油機NGAS、基地防空装備予算増も指摘)
●AEIのTodd Harrison研究員
→持続的予算増は期待薄なので、(維持予算膨張につながる)戦力構造の拡大は避けるべき。現在確定済の実行必須の巨額事業の将来負担を早めに減らす方向で優先支出すべき
→コスト爆発膨張中の次期ICBM計画、次期制空機F-47、空中給油機再整備への追加投資等を優先すべき
【米宇宙軍での増額予算の使い道】
●専門家の共通認識
→宇宙軍は国防省予算の5%をこれまで配分(比率変更には意見分かれる)
→持続可能な組織整備に着意すべき。装備や任務増に伴い、訓練強化や、調達管理や新システム運用に必要な人員増強にも計画的に投資増額すべき。
●AEIのTodd Harrison研究員
→新設の宇宙軍に配慮した「調整予算」が潤沢であり、他軍種との予算比率の早急な変更は待つべき。新プログラム開始より、既存計画の確実な遂行を重点にすべき
→装備面で配慮すべき方向は、各種データの共有ルートの多層化など
●ミッチェル研究所Deptula所長やCharles Galbreath研究員
→既存のセンサー開発加速と生産規模拡大でセンサー層を増強拡張が必要。入手情報を統合するC2にも進展があるが追加資金が望ましい。
→宇宙配備型および地上配備型の迎撃ミサイル開発は、より多くの資金投入でより多くの候補企業に競争の機会を与え、成果の充実とコスト削減を導くべき
→サプライチェーンや軍需産業の生産ライン拡大や、昨年の政府による大規模人員削減の補填にも応分の手当てをすべき
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「約1兆ドルから1兆5000億ドル規模に50%増の約75兆円アップ」との「大風呂敷」トランプ提案ですが、関係する軍事専門家の提案には「聞き覚えのある事業や課題対処」が上がっており、現時点で空軍や宇宙軍が直面している事業や課題が、「50%」もの大幅予算増でも「手に余る」問題であることが伺えます
話は少し変わりますが、高市政権の積極財政方針の下で防衛費増と防衛増税の話が出ていますが、国防問題に関する国民の「知見レベル」が高くなく、メディアによる「あるべき」チェック機能も期待できない日本では、本当に必要な装備や兵器が選定され導入されるのか、「極めて怪しい」と思います
片山財務大臣は「日本版DOGE (租税特別措置・補助金見直し担当室)」を設置したとのことですが、巨額の予算が組まれる「国防分野」には特にチェック機能を果たす組織なり仕組みが必要だと思います。
最近の米空軍や宇宙軍の記事
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「空軍は大丈夫?」→https://holylandtokyo.com/2025/12/16/13375/


1月10日付米空軍協会web記事が、トランプ大統領が7日に表明した、2027年度国防予算を2026年度予算の約1兆ドルから、1兆5000億ドル規模に約75兆円増額する米議会への要請について、仮にこの増額が実現したら、どのように米空軍と宇宙軍で使用すべきかについての複数の専門家意見を紹介していますので、米空軍と宇宙軍のみの視点からになりますが、国防費の特性を学ぶ機会としたく概要をご紹介いたします