2026年度の米海軍予算要求文書で明らかに
米海軍も企業も理由説明なし 量産型の製造問題か?
当初IOC初期運用態勢確立は2024年も26年になり更に
IOC宣言後に初期運用試験評価(IOT&E)を行う異例の計画に
MO-25は、機種選定を経て2018年にポーイング社案が選定され、2019年に試作機が地上から初飛行、 2021年にはFA-18、E-2D。F-35C への空中給油試験や空母プッシュ甲板上での取り回し試験が開始され、開発は順調に進んでいると見られていました(少なくとも、まんぐーすの認識では)。
そこで米海軍幹部は当時、当初の 2024年MQ-25運用開始を前倒ししようと取り組みましたが、テロとの戦いによる空母派遣期間の長期化や空母修理施設の負担増大により、MQ-25を最初に搭載予定の空母カールビンソンや空母プッシュの無人機受入改修が間に合わなくなり、米会計検査院 GAOが「3年遅れ」の恐れを指摘する事態となるも、米海軍は2024年9月時点では、 2025年の空母運用開始を追求すると主張していました。
その後今年2025年1月には、米海軍航空部隊司令官(Commander, Naval Air Forces)が内外の専門家やメディアの前で、「私が発言した事として引用していただいて構わない。MQ-25の量産機が2025年には空母で(運用態勢確立に向けた)飛行を開始し、翌年2026年には空母で運用を始める」と宣言していましたが、最近提出された次年度予算案文書で、ひっそりと「IOCが2027年第3四半期までずれ込む」と明らかにしたようです
ボーイング社は細部の質問対応は米海軍にゆだねると断りつつも、「2025年後半に初飛行を行い、2026年には初空母飛行を行う予定だ」と、大きな変更ではないと言いたげな表現でお茶を濁している模様です。
米海軍も企業側も更なる遅延理由を語らない中、同記事は遅延理由について、
●製造上の問題により幾度となく遅延が発生し、ボーイングは固定価格契約を締結した後に大幅なコスト超過に見舞われている。
●更に、 MQ-25等々の軍事品製造を行うセントルイス工場で、労働組合と雇用延長契約がまとまらず、同工場がストライキで稼働を停止することとなり、MQ-25計画の更なる遅延が懸念される
また同記事はMQ-25計画の奇妙な点として、
●予算文書は、通常はIOC宣言前に実施される初期運用試験評価(IOT&E)が1年延期され、IOC予定時期(2027年第3四半期)より後の、2028年度第2~4四半期に実施予定となっていると指摘し、
●米海軍がこの点に関し、「MQ-25の初期運用態勢(IOC)とは、空母で運用可能な機体3機、訓練を受けた人員、および装備を備えることと定義され、初期運用評価試験(IOT&E)が終了していることは条件ではない」と説明している、と報じています。 (まんぐーすは、全く理解できませんが・・・)
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DefenseOne記事は結びに、「しかし米海軍関係者らは、2025年の(空母)飛行前にはまだ膨大な作業が残っており、海軍とボーイングで飛行前の障壁を除去する必要があると警告している」と、まだまだ遅れそう・・・とのニュアンスを醸し出しています。
ボーイング関連事業で唯一順調感があったMQ-25ですが、ついにボーイングのデタラメ3兄弟(KC-46給油機、T-7練習機、VC-25B大統領専用機)の仲間入り確定模様です。
なお、米海軍の予算要求では、低レート初期生産機3機の1機あたり価格は約240億円となっているようで、米海軍は合計76機のMQ-25を購入予定です。
機種選定後のMQ-25 関連の記事
「量産型が25年空母飛行26年空母運用開始」→https://holylandtokyo.com/2025/02/18/10732/
「空母ブッシュに管制施設」→https://holylandtokyo.com/2024/09/13/6269/
「VRでE-2Dや P-8と任務連携」→https://halylandtokyo.com/2022/09/26/3677/
「FA-18への給油に初成功」→https://holylandtokyo.com/2021/06/10/1897/
「試験用空母確保難で3年遅れか?」→https://holylandtokyo.com/2020/06/18/626/
「MQ-25地上から初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「2019年6月の状況」→https://holylandtokyo.com/2019/06/27/6724/

