来年度予算案で昨年計画の42機から24機へ激減要求
機数45%カットでも予算額は18%減に留まる単価アップでも
1900社からなるサプライチェーン大混乱必至も無い袖振れず
専門家は米議会が機数積み増しするかの可能性示唆も・・・
6月12日付Defense-Newsが独自に入手したとする米国防省の2026年度予算案文書を取り上げ、昨年米空軍自身が更新作成したばかりの2026年度F-35調達計画数42機を大幅に下回る、僅か24機と記載されていると驚きをもって報じ、更に45%も購入機数を削減しておきながら購入費用は18%程度しか減額されておらず、調達数が減ることで単価が跳ね上がる負のスパイラルの実態をマザマザとさらしていると指摘していますまた同記事は専門家の見方として、近年、年平均44機を調達してきた流れの中で、これだけ大幅に購入数を削減することは、約1900社に及ぶサプライチェーン構成企業に壊滅的な打撃を与える可能性が高く、関連企業を選挙区に抱える米議会議員が予算審議の過程で、機数を無理やり積み増す可能性があるとしつつも、
米空軍幹部は最近一貫して、老朽化が進む4世代機の退役が進む中、航空機を近代化して平均機齢を引き下げるためには、毎年少なくとも戦闘機72機を新規購入する必要があると繰り返し主張してきたにもかかわらず、2026年度子算案には「24機のF-35A」と「21機のF-15EX」の「計45機」しか組み込まれておらず、米空軍が相当苦しいやりくりを迫られていると指摘しています
ご参考まで、また別の機会に取り上げたいと思いますが、E-3早期戒管制機の後継として26機のE-7を導入する計画を米空軍は昨年決定していましたが、6月9日の週の上下院公聴会でヘグゼス国防長官が、「26機のE-7」の代わりに「E-2Dを5機」導入することで当座をしのぎ、将来の衛星や高度戦闘管理システム（ABS：Advanced Battle Management System）につなげる構想を示唆するなど、なりふり構わぬ「事業の切り貼り作業」が国防省と各軍種内で行われている模様です
米空軍のF-35 導入数に話を戻して数字で概観してみると・・・
●近年は毎年平均44機で、最大は年60機導入
●実績は 2024年に51機、2025年に44機
●2024年米空軍発表の更新調達計画では、「2026年に42機」、「2027年と2028年に各47機」、「2029年に48機」（この機数は、最新型 Block 4の開発遅れを見込んでの修正済計画数）
●しかし米空軍 2026年度予算案では驚きの「24機」
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F-35A型を1763機導入するとの当初計画について、米空軍は「アンタッチャブルな話題」として言及を避けており、ほとんど誰も触れませんので、過去記事を掘り返して関連発言をご紹介しておきます
●【建前論】12月19日退任間近のKendall空軍長官
誰も何機購入するかわからない。一定期間は更に購入し続けるだろうが・・。ある時点で、これは次世代制空機（F-47）とCCAで何をするかによって決まります。おそらくその点については再検討するでしょうが、まだその準備が整っているとは思いません
●【本音】9月7日付米空軍協会web記事で同機関誌編集長は、米空軍は2005年頃に1763 機という目標を設定しているが、（様々な脅威の変化や先端技術の進歩に）にもかかわらず、その数字を変更していない。空軍当局者は、導入機数を減らすとF-35の単価が上昇し、この価格上昇によりF-35計画が（法定基準を超えたコスト上昇や開発遅延プロジェクトの見直しを定めた）Nunn-McCurdy 法に抵触することを気にして手を出せないでいる
米空軍の F-35の調達数関連
「空軍長官：F-35 調達機数は予測できず」→https://holylandtokyo.com/2024/12/24/10504/
「導入ペース低下：調達を10年延長？」→https://holylandtokyo.com/2024/11/25/6327/
「2024年度も稼働率低迷」→https://holylandtokyo.com/2024/11/27/6455/
