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GCAPはF-47の競争相手ではなく統合された仲間を希望と
2020年代末に配備のF-47 VS 2035年も危ないGCAP側の焦り
やっと3か国企業のJoint Ventureが発表され数週間以内に開業も
3か国政府との設計開発契約は2026年末か2027年初頭目標の鈍重さ
F-47を 2020年代末にも配備すると米大統領が語る開発進捗の一方で、2035年の納入目標も危ういGCAPの現状への焦りからか伊退役大将は、「我々の望みは、GCAPがF-47と相互連用可能となり、統合システム内の2つの要となること」、「F-47 と GCAPは競争相手ではない」と(邪推:力なく自信なさげに)語る様子を報じています
Taricco伊退役大将はイタリア空軍の調達に関わった経験を持つ人物で、元英国空車将車でGCAP 技術担当ディレクターである Phil Brooker 氏と共に、GCAPトップの最高経営責任者(chief executive)である日本人Oka Masami 氏を支える2名のブロジェクト No2の一人です。
5月にロイター通信が、日本側はGCAPが2035年までに配備可能か疑問視し、穴埋めにF-35 追加発注を検討していると報じた件を踏まえ、Taricco氏は英伊両国は日本と同様の切迫感を共有し、開発期間短縮検討も行っているとし、「日本側は計画加速に非常に意欲的で、それは当然のことであり、英伊も同様だ」、「全員が緊急性を共有し、全員が圧力をかけている」とインタビューで語っています。
そして同氏は、英BAE システムズ、伊のレオナルド、そして日本のMHIと日本航空宇宙工業会が共同出資する日本のJAIECによる産業合弁事業設立が最近発表され、「数週間以内」にロンドン郊外の拠点で業務を開始し、15か月後には約1000名体制でプロジェクトを加速していくと説明しています
また、GCAP を推進する国際政府組織(GIGO)が、上記3か国合弁企業と最初の契約を2025年末までに締結し、その後 2026年末か2027年初頭までに設計開発契約を締結する可能性が高い、とも説明しています。
更に同氏は、次世代制空機の特徴でもある無人機との連携運用に関し、無人機関連作業は依然として各国の権限であり。合弁事業で無人機との連携を扱う計画はないとし、サウジ等とのパートナー関係の可能性については、新たなパートナー国を誘致する協議は各国政府レベルで(ばらばらに)行われており、「現時点でGIGOはパートナー候補と直接連絡を取っていない」とも語っています。
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3か国政府と企業間契約協議も初期段階で重要部分が煮詰まっておらず、次世代機の大きな特徴である無人機との連携は各国任せで、新たなパートナー国に関してはメディア報道先行で、プロジェクト体として関与できるほどGIGO体制が固まっていない現状を、あからさまに語る陽気さがイタリア人気質でしょうか・・・。株式会社ならストップ安相場が確実な発言だと拝察いたしますが・・
2024年7月の英国の航空ショーで派手な実物大GCAP模型が展示されたらしいですが、GCAPは具体的に何も決まっていないも同然と見た方がよいでしよう・・。
そんなヨワヨワな足元を見られたのか、石破総理が訪米した際、トランプ大統領が「米国は初試験飛行を既に済ませた段階のすごい戦闘機を持っているが、見たいか?」とアプローチしたと朝日新聞が報じており、英伊側にも関税交渉のテーブル下で、そんな話題になっていそうなことを伺わせます。
今の段階で既に、「GCAPがF-47と相互運用可能となり、統合システム内の2つの要に」とか、「F-47と GCAPは競争相手ではない」と発言してF-47にすり寄るような様子から、既に骨抜き状態であるように感じるのは私だけでしょうか。戦闘機命族以外は全員、戦闘機投資に「NO!」を突き付ける時期に来ているのではないでしょうか
GCAP 関連の記事
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F-47 関速記事
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