19日、ビバリーリルズの超高級ホテル(Hilton)で空軍協会主催(Air Force Association)の「2009 Global Warfare Symposium」が開催され、過去本ブログにも登場した最近話題の関係者が一堂に会して講演・議論を行いました。本シンポジウムの扱う分野の組み合わせが、現在の戦いの様相を如実に示しています。来年初頭に発表されるQDRや各種態勢見直しの注目分野であり、今後もフォローが必要でしょう。ここで登場したのはチルトン戦略軍司令官、クロッツGlobal Strike Command司令官、ウェバー24空軍司令官です。
●チルトン戦略軍司令官(Gen. Kevin P. Chilton)
先頭を切った同司令官は、「宇宙、サイバー空間、そして抑止は現代戦争における3つの主要作戦ラインである」と口火を切り、「世界規模の情報分析と情勢認識」、「モデル&シュミレーションによる訓練・システム開発・演習の重要性」そして「GPSプログラムへの一層の投資努力」の重要性を訴えました。
同司令官はまた、現代の脅威を念頭に、ネットワークの考え方を改めて強固なネットワークの構築・改良が必要たど語りました。
●クロッツGlobal Strike Command司令官(Lt. Gen. Frank G. Klotz)
同コマンドは米空軍が持つ核戦力(ICBM,B-1,B-2)を一元的に管理するコマンドとして本年6月に創設されたばかりのコマンドですが、当面の重要事案として、12月1日に予定されている第20空軍の編入を上げました。20空軍は米空軍のミニットマンICBMを運用する部隊でワイオミング、モンタナ、サウスダコタの各州に基地を持っています。
同司令官は、ICBMミニットマン3は今後約7000億円の近代化計画により2020年まで米国と同盟国の抑止力となり、また超高周波通信衛星の購入により国家的指揮活動を確実なものと出来るであろう、と語りました。2007年の事案に関し、セキュリティーと監査にも力を注ぐと強調しています。
●ウェバー24空軍司令官(Maj. Gen. Richard E. Webber)
同司令官は、サイバー空間は脅威にさらされやすいドメインであり、全空軍人が「サイバー最前線にいる意識(cyber wingman philosophy)」を持ってセキュリティーの原則を守らなければならないと強調しました。
「サイバー空間自身が任務ではなく、そこで作戦が行われるのだ。ネットワークを守るだけでなく、作戦を成功させなければならない」とちょっと複雑ですが、参入障壁が低く、民間リードで高度化する分野だけに変化の早さを強調しています。もちろん国防省のサイバー組織であるサイバーコマンド(U.S. Cyber Command at Fort Meade, Md.)との連携にも触れました。
Holylandはバラバラにフォローしてましたが、やっぱり一つ併せて成長分野だったんですね。
会場のホテルはヒルトングループ発祥の地であり、毎年ゴールデングローブ賞の授賞式が行われる豪華ホテルです。今後主戦場となることが間違いない分野ですから、軍需産業からも金が出てるんでしょうね・・軍需産業向け特別セッションもありましたから・・。ゲーツ長官は欠席。リン副長官は参加してますが・・
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