日本では普天間の移転が日米関係の懸案になっていますが、お隣韓国では米軍再編が順調に進んでいるようです。以下は米国防省HPに掲載された移転準備が極めて順調!!との記事の中身です。
ソウルの南、約70kmのピョンテク(平沢)に巨大な米軍基地が建設中の様子(完成予想図も同記事より)を伝えています。若干ひねくれたHolylandには、日本に当てつけがましい記事にも見えますが、移転先施設のすばらしさと移転の順調さを宣伝する記事の原文は・・・
→ http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=58484 をどうぞ
補足→3月30日に防衛研究所が公表した「東アジア戦略概観2010」では、本再編に関し「平澤地域への移転は、用地収用の遅延などのため、進捗状況に遅れがみられる」と記述しています。日本よりは順調だと思いますが、当初計画からは遅れているようです。
(以下記事概要)
かつてのキャンプ・ハンフレイ(Camp Humphreys)は静かなヘリコプター基地から、在韓米軍の主要ハブとして生まれ変わる。これは在韓米軍再編の一環であり、約2万8千人の在韓米軍兵士のほとんどが今後数年でソウルを流れる川(Han River)より南に移ることになる。これにより、在韓米軍司令部と米韓連合軍司令部のあるヨンサン基地や第2師団があるキャンプ・ケーシーから部隊が移転することになる。
このように、大部分が一カ所に集まることは朝鮮半島ではこれまで無かった。
シャープ在韓米軍司令官(Gen. Walter Sharp)「我々は2012年に移転を開始し、数年をかけて移転を完了する。」、「我々はなるべく迅速に移転を行ってこの土地を韓国に返還し、米軍を集めて兵士の生活の質を改善する」と述べている。
移転担当の大佐によれば、現在軍人4千人を含む約1万人が所在する同地に、最終的には家族も含めて6万人が生活の拠点を置くことになる。ゲーツ国防長官は昨年12月、在韓米軍兵士の勤務期間延長を発表し、独身者は2年、妻帯者は3年にそれぞれ勤務期間がのびているところである。
設計プランナーによれば、ここは部隊訓練、整備及び物品保管の最新施設となる。建物は、これまでの米軍施設の経験を生かしたアイデアを取り入れたもので、嘉手納基地のPXや独訓練基地の施設も参考にしている。建物面積は現在の8倍になり、その規模はテキサス州フォートブリスの2倍以上になる。まるで一つの都市を建設しているようなものだ。
独身者の部屋はベッドルームとシャワーは個人毎だが、リビングは共有する。
ショッピングエリアには、米国で生活するのと同じような品揃えを用意し、スポーツジムも「スーパージム」の名の通りの施設になる。家族のレクレイションエリアは、暖かくなったらアイデアをつめる。(以上記事概要)
シャープ司令官の3つの要望事項は、第一に「今夜戦えるよう準備せよ」、第2は「米韓関係の強化に寄与せよ」、3番目に「兵士と家族の生活の質向上」だそうです。
前線から後退しながら「今夜戦えるよう準備」し、韓国と協議して協力的に計画・予算化して韓国版思いやり予算を獲得して「米韓関係に寄与」し・・・・なかなか素直に読みとれない司令官の優先事項ですが、3番目の生活の質が最優先なのでしょう。
それにしても韓国の魅力を伝え宣伝する記事は昨年10月と12月にも登場し、しきりに家族帯同での赴任を促進しています。
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-16
よほど韓国勤務は人気がないんですかね・・・前韓国政権下では米韓関係は最悪でしたからその余波でしょうか・・(下の図は防衛白書に載っている韓国の米軍再編概要です)
(付録)
「どんな兵器を:Anti-Access環境対応」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04
「Anti-Access環境への対応コンセプト」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-03
「QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「Joint Air-Sea Battle Conceptは平成の黒船」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-09
「(Ver.2)QDRから日本は何を読みとるべきか」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1
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