過去22年で最大の採用数を確保へ
2023年度の目標未達から「超V字回復」
陸海海兵隊も好調で「ト政権で軍務希望の意欲拡大」と自賛
以下4月16日付米空軍協会web記事によれば・・・
米空軍に関しては、32750名(3月までの数値)との採用総数は2004年の34000名(通年数)以来の22年ぶりの規模で、2023年に目標未達(最終的に24200名採用:1999年以来初の目標未
達)後は、2024年度に目標を締め切りギリギリの9月下旬にクリア(最終的に27100名採用)、2025年度は早々と6月に目標達成(最終的に30166名採用)し、今年2026年度は3月に5カ月も前倒し達成したとのことです。
なお国防省や米空軍は、2004年の採用記録はイラク戦争でサダム・フセインを捕獲した米軍の活躍を見た国民が、米軍を強く支持し、若者がこぞって応募した結果だと「評価&解説」しているようです。
宇宙軍に関しては、前述のごとく2月に750名の目標を達成し、その後の期間も含め現在までに1073名を採用しているとAFAC(空軍採用センター)が明らかにしています。
宇宙軍は現在全体で約1万名規模ですが、任務の増大から規模2倍への拡大を計画しているところ、新規入隊希望者が多いことから達成可能と見られており、新兵募集だけでなく、他軍種の関係職域兵士を「転籍」させる事で、700名程度を確保する目標も掲げて取り組んでいます。
この様に宇宙軍は、注目を集める中で募集人数が他軍種に比して小さいことから、「必要な特定職種要員確保のため、応募者の中から特定技術スキルの高い者を厳選して選考可能」な状態にあると関係者が語っています。
この好調な応募状況を受け、
●ヘグゼス国防長官はXで、「歴史的な採用数が続いている」、「米国の若者達が、トランプ大統領率いる国防省に押し寄せている」と発信
●Wilsbach空軍参謀総長も同様に、「人々はchampionship teamに加わりたいのだ」「勝者は勝者に加わるのだ」と発信しています
また同記事は好調な募集状況の関連事項として以下を説明
●国防省報道官は、2026年度に入隊した者で「整備、サイバー、特殊作戦といった重要な役割を担う兵士」に、最大約600万円のボーナスを受給可能な制度を導入したと説明。
●米空軍は、2027年度に現役兵の基本給を2100億円の予算で増額する計画で、この資金で昇給施策の他、兵士の定着率向上策に投資する模様。
●空軍募集センターは、2023年以降に採用担当者数を400人増強し、募集成績が振るわない採用事務所に2~4名の臨時応援チームを派遣する対応を
●ただ米空軍はまだ、2027年度の採用目標や総兵力数目標を明らかにしていない
●宇宙軍は好調な募集状況の中でも、応募可能な人材範囲拡大のため、一部の規則を改定
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国防省や軍種関係者に、「トランプ大統領が率いる政権の国防省や米軍に、人が引きつけられ応募している」と好調な募集背景を説明されても「?」ですが、上記でご説明したような「特別ボーナス」や「基本給の引き上げ」の他、末尾掲載の過去記事では、以下のような様々な「新兵確保対策(一例)」も好調な募集の背景にあると説明しています。
【募集条件の緩和(一例)】
・過去の薬物使用歴、肥満、入れ墨、健康状態等により、17歳から24歳までの米国人募集対象者の 10人中8人が入隊条件を満たさない現実を踏まえ、各軍種が様々な形で、基準緩和(体脂肪率、過去の薬物使用歴、首や手への入れ墨基準緩和等)
・米陸軍は、入隊者選別時の学科試験への電卓の持ち込み許容など、「下駄をはかせる」施策導入
・米海軍は5軍の中で初の、採用者の「高卒」資格不用とする採用を開始。ただ国防省指示で、新兵全体の90%以上が高卒資格を持ち、60%以上が入隊試験で平均点以上獲得を条件
【応募者への特権・特典供与】
・合法移民の入隊者がより円滑な「帰化」手続きを享受できる特典
・学生時代の学費ローン肩代わり制度再導入
【応募者確保の広報や手段工夫】
・スマホアプリによる現役兵士からの募集候補者情報収集
・募集担当者への採用成功報酬や表彰制度導入
以上のような様々な対策で米軍は「募集難」に対処してきたわけですが、米国に限らず、西側諸国が共通に抱える「人材確保難」に、コロナ終息後の民間との人材確保競争を経て、米軍が「新兵募集 V字回復」している状況は、にわかに信じられません。
「まんぐーす」が「募集回復」の背景として思いつくのが、米国社会全体を覆う「衰退感」や「将来への不安感」からくる、「公務の安定性」人気説です。直近の米国内情勢を踏まえれば、「関税」や「中東紛争」等の影響による猛烈な物価上昇の中で、ますます広がる格差社会と、これによる「中産階級の崩壊」、「米国社会の崩壊感」からくる、安定志向が背景にあるのでは・・・との仮説です。
新兵募集難&離職者対応と成果
「25年度空軍宇宙軍が目標3か月前達成」→https://holylandtokyo.com/2025/07/09/12065/
「海が高卒条件緩和へ」→https://holylandtokyo.com/2024/02/07/5522/
「空が募集年齢上限を42歳に」→https://holylandtokyo.com/2023/10/31/5184/
「空が24年ぶりに10%未達」→https://holylandtokyo.com/2023/09/25/5035/
「合法移民へ猛烈接近」→https://holylandtokyo.com/2023/06/16/4743/
「空が体脂肪率緩和」→https://holylandtokyo.com/2023/04/07/4494/


4月15日、米空軍と米宇宙軍が2026年度の新兵募集において、目標の32750名(空軍)と750名(宇宙軍)を5カ月も早く達成したとヘグゼス国防長官が「X」で明らかにしました。また同長官によれば、陸海海兵隊の新兵募集も極めて順調で、間もなく空&宇宙軍に続いて目標を達成するとのことです。なお厳密に言うと、宇宙軍は2月に目標を達成しており、6か月前倒し達成になります。