嘉手納へのF-15EX初号機到着が当初の今年3~6月から延期

製造ボーイング社工場での労働者ストライキの影響で
当該ストは2025年8月~11月で終結も
新スケジュールは春に追報とか

2月17日付 Stars and Stripes紙web版によれば、嘉手納基地で約40年間運用されてきたF-15C/D戦闘機48機の後継として、36機のF-15EX戦闘機が恒久配備される計画に関し米空軍が、ボーイング社で同機を製造するセントルイス工場での従業員ストライキの影響により、当初計画では2026年3月~6月の予定であった嘉手納配備1号機の到着が遅れると明らかにした模様です。

ボーイングのセントルイス工場では、労働組合が賃上げを求めて2025年8月4日から11月17日の間に3か月以上ストライキを行い、同年12月に同機最初の飛行隊が創設されたオレゴン州ポートランド州空軍基地に完成機体が納入されるまで混乱が続いたようで、米空軍は嘉手納配備1号機の到着予定時期を今年春に再発表するとしています。
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2020年に米空軍と契約が成立した最新4世代機F-15EX開発は、F-15C/D型の発展形であるサウジやカタールやシンガポール空軍用のF-15SやF-15QAやF-15SGが、最先端技術を段階的に導入しながら継続的に開発製造されて来たため極めて順調に進み、末尾の過去記事でご紹介しているように、初号機がフロリダ州エグリン基地へ2021年に試験用提供された直後から本格演習に参加して現場で大好評を得るなど、好調な道を歩んでいます

ただ、第5世代機が欲しい米空軍は、契約当初に144機導入を計画も、予算不足を理由に2025年度予算案では機数を98機にまで削減提案し、米議会から厳しく追加で28機導入するよう要求されていましたが、最終的には98機で2025年度予算は一端決着しており、2024年7月に発表された「嘉手納への36機F-15EX配備」に、この導入機数削減の影響が出るのか出ないのか注目されていたところでした。

嘉手納への1番機到着予定(2026年3月~6月)は、2025年3月に嘉手納第18航空団司令官が明らかにしたもので、144機から98機へのF-15EX総導入機数削減を反映済の全体計画を基にした発言と推測されますが、その後に新政権下で発表された巨大プロジェクト「次世代戦闘機F-47」や「Golden Dome構想」開始決定や、F-35調達ペース激減予算要求、戦闘機命派の権化である米空軍参謀総長の就任等もあり、4世代機F-15EX導入ペースは予断を許さない状況にあると思います

元々、嘉手納配備F-15EXの1番機到着時期しか米空軍は言及しておらず、「F-15EX飛行隊の初期運用態勢確立IOC」予定時期等について「あえて触れない」姿勢を貫いていると「まんぐーすは邪推」しており、調達ペースが激減しているF-35の三沢配備(F-16の後継機)も遅れが予期されるように、嘉手納での約半年交代の「代替戦力ローテーション派遣」(現在はF-35とF-16展開中)は、延々と続きそうな予感がしております。

軍事的合理性からすれば、中国弾道&巡航ミサイル数千発の射程内にある嘉手納基地のような地理的位置の飛行場に、「虎の子の戦闘機」を常駐させ、有事作戦に活用する発想は米軍になく、「平時のプレゼンス」のみが目的の位置づけだと思いますので、西半球重視のNDS公開もあり、嘉手納F-15EX部隊の「初期運用態勢確立IOC」や「完全運用態勢確立FOC」予定時期は、米空軍として「うやむや」にしておくものと予想しております。

個人的には、今も機能向上が継続中の最新型が存在して2070年までの運用が実質決定済のF-16や、世界各国で改良発展型が運用中で、米空軍もF-15EXとして運用を開始したばかりで維持や近代化に懸念の無いF-15シリーズを日本は導入しておけばよかったと思います。F-35やGCAPに巨費を投じるのではなく、持久力と強靭性のある戦力構築につぎ込むべきであったと心から思います

嘉手納と同様に、中国弾道&巡航ミサイル数千発の射程内にある航空自衛隊の基地は極めて脆弱で、加えて近年脅威が顕在化している安価なドローンで脆弱性が加速度的に増している飛行場に依存する戦闘機は、戦闘機命派が「頼みの綱」として執着する「平時からグレーゾーン時の対領空侵犯措置」に投入可能な程度で十分だと思います

なおF-15EXは・・・
●F-15C/Dに比し、速度が速く、航続距離が長く、機体強化等を踏まえ2つの兵器搭載ポイントを追加するなど29,000ポンドの積載量を確保
●また、「Digital fly-by-wire飛行制御」「Large area display glass-cockpit タッチスクリーン機能付き」「APG-82 AESAレーダー」「HMD目標照準システム」「電子戦自己防御システムEPAWSS」搭載の優れものです

F-15EXと嘉手納関連
「嘉手納部隊2026年完成」→https://holylandtokyo.com/2024/09/18/6281/
「嘉手納にF-15EXを」→https://holylandtokyo.com/2024/07/05/6097/
「初号機は正規軍でなく州空軍へ」→https://holylandtokyo.com/2024/06/13/6009/
「試験配備直後に大規模演習参加」→https://holylandtokyo.com/2021/05/25/1710/
「初号機を米空軍受領」→https://holylandtokyo.com/2021/03/22/166/

F-16は2070年まで運用か
「最新Block70が今後500機以上も」→https://holylandtokyo.com/2022/12/13/3994/
「F-16は2070年代まで運用へ」→https://holylandtokyo.com/2021/06/01/1784/

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